高速バスなどの運転業務従事者への労務管理を厳しくせよ。

 高速バスの運転手に原因がある重大事故が先日3日未明に小矢部川SAであり、痛ましくも運転手と乗客の高校教諭が犠牲となった。宮城交通は事故直後の記者会見で運転手に睡眠時無呼吸症候群の症状があったことを明かしたが、就業前の点呼では異常がなかったという。
 しかし問題は睡眠時無呼吸症候群の程度ではなく、むしろ運転手の業務の方にあったようだ。彼は当日まで11日連続業務にありその日も後退要員がいたものの1日は仙台市内の路線バスを午後1時から11時まで10時間勤務し、2日は午後9時45分に仙台駅を後退要員として出発し、山形県の飯豊町の「道の駅いいで」運転を交代してハンドルを握り事故のあった新潟県の小矢部川SAで交代する予定だったという。

 トラックにせよタクシーにせよバスにせよ、運転手は命懸けの業務だ。ハンドルに自分の命のみならず同乗者の命や道路上の車や歩道の人たちの命までも事故に巻き込む危険性を常にはらんでいる。
 そうした危険業務という認識を経営者の側にあるのかという問題がまず問われなければならない。かつてテンカン症の持病を持つ男にクレーン車を運転させて通学途上の児童が事故に巻き込まれたことがあった。事業者は運転従事者がテンカン商の持病を持つ者とは「知らなかった」では済まされない事故だった。

 今回もいち早く宮城交通の責任者たちが運転者に睡眠時無呼吸症候群の持病があることを明かしたが、そうした持病のある人は11日連続勤務でなくても通常の運転時でも突然に眠りこける事例が報告されている。
 それを事故当時彼は11日連続勤務であったとは論外ではないだろうか。宮城交通では13日連続勤務までさせていたようだが、運転従事者への労務管理として許されることなのだろうか。

 関係官庁は運転従事者の労務管理基準の厳格化と厳しい監視をすべきだ。運送業法の規正法緩和により新規参入が容易となり、企業間競争が激化したシワ寄せが運転業務従事者に寄せられたのでは利用者の命が危険にさらされ、利用者の便益を眼目に規制緩和されたはずが本末転倒だ。
 規制緩和による新規参入の促進は企業間競争を促し利用者サービスを向上させる利点があるが、業務本来の「安全性」が損なわれることがあってはならない。宮城交通も責任を問われなければならないと同時に、関係官庁の責任もまた問われるべきだ。


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