水素を次世代エネルギーの中心にせよ。

 かつて石炭から石油へエネルギーは大きく転換した。常態が個体から液体へと転換されたことにより、取り扱いが合理化されただけでなく、利用方法も石油プラントなどの装置産業に大きく転換された。
 そして次世代は水素への転換がなされる。石油は燃焼により硫化化合物質や二酸化炭素の排出という環境に負荷を掛ける存在だったが、水素は燃焼により水しか出ない。環境にとって極めてクリーンなエネルギーだ。

 ただ問題は水素の特性としてなかなか気体の水素を液体化するのが困難なのと、その還元作用にあった。特に気化させる技術がなかなか見つからず、溶媒に溶解させる物質が見つかっても、今度は溶媒から水素を取り出すのが困難だった。
 しかし厄介な特性を持つ水素を体積の500倍溶解させる溶媒と溶媒から95%を超える水素を取り出す触媒が日本で開発されたという。それなら水素を得気化させて運ぶのと同じ理屈で、コンパクトなボンベで持ち運びが可能になった。水素利用が日本の技術で大きく前進した。

 水素は太陽光発電した電気で水を電気分解すれば良い。他にも石炭やメタンハイドレートなどから水素を取り出す技術は既にある。それらを複合的に利用すれば水素を中心としたエネルギー社会へ転換するのもそれほど困難ではない。
 トヨタなどの自動車各社は水素を利用する燃料電池の小型化に取り組んでいるようだ。しかし燃料電池は装置として複雑なものにならざるを得ず、製造原価の引き下げはなかなか困難なようだ。そこで日本の自動車メーカーマツダのロータリーエンジンが水素で動くことは既に実証されている。燃料電池などという一手間かける必要もなく、現在ある自動車の部分的な還元作用に対する改良だけで明日にも大量生産できる。

 電気は電池に貯めていても自然放電は避けられないし、電池の劣化も避けられない大きな欠点だった。ハイブリットのリチウム電池も概ね4,5年で性能が大きく低下するのは知られていることだ。電池の性能が低下すれば低出力のエンジンを積載した自動車と変わらないことになる。
 自動車に電気を利用するのは限界がある。そして一時的に電気を電池に蓄えるロスも電気社会になった場合には総量として無視できないエネルギーの持つ欠陥として大きな問題になるだろう。そうした観点から見ても、次世代エネルギーの中核に据えるべきは水素だ。この分野での更に水素利用が手軽になるような科学的な発見や新技術の確立などが急がれる。


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