人口による未来予測は決して外れない現実だ。

 今日は成人式だが、今年の新成人の人数は122万人だという。過去からの推移をみると<新成人人口について,この推計を開始した昭和43年からの推移をみると,第1次ベビーブーム世代の昭和24年生まれの人が成人に達した45年が246万人で最も多くなった後,減少に転じ,53年には152万人となりました。その後,昭和50年代後半から再び増加傾向を続け,第2次ベビーブーム世代の人が成人に達した時に200万人台(最多は平成6年207万人)となった後,平成7年に再び減少に転じて以降は減少傾向を続けています。
 平成25年の新成人人口は122万人,総人口に占める割合は0.96%と過去最少だった前年とそれぞれ同値となっており,総人口に占める割合は3年連続で1%を割り込んでいます。>(以上「総務省統計」引用)

 昭和45年の新成人人口が245万人で今年の新成人はその半数に満たないことになる。この趨勢が続けば間違いなく人口が半減することになる。こと人口予測に関する予測は残念ながらすべての予測の中で決して外れない。
 その年の新生児数を上限として、その年の人口は微減のまま労働人口の一角を占め、そのまま高齢人口となっていく。だから今日の高齢人口爆発も実は60年以上も前から予測されていたことだ。それに対してアタフタとしている政治家や官僚たちは予てから人口予測に基づく政策を着実に遂行して来なかった怠慢でしかない。

 昭和45年生まれの人たちは勤労人口の中核を占めるが、彼らが定年を迎える頃に勤労人口の中核を占める今年の新成人は半数しかいない。少子社会は人口減社会で、人口減社会は活力が喪失される社会だ。そうした極めて当たり前のことに目を向けないで「活力に満ちた社会を実現する」などと喚く政治家は間違いなく欺瞞家だ。
 現在の人口減社会が持続する限り、財政赤字を解消する手段は増税による赤字国債償還ではなく、ハイパーインフレによる債権の紙屑化によるしかない、というのが実は経済原則の世界では常識だ。実際にあらゆる条件を現在のまま固定化して推計しても来年度予算の内赤字国債発行による財源は42兆円だから後20%近く消費税を増税しなければならない計算だ。

 増税後の8%に20%を加えた消費税28%は欧州諸国の中では普通だが、欧州諸国が生活必需品に関しては非課税か重税大国のスウェーデンですら7%に軽減されていることを考慮すると生活を破壊する極めて重税だといわざるを得ない。
 しかも年々歳々税負担する人口が減少する人口減社会では更に高税率にならざるを得ず、そうすると極端な不景気に見舞われ消費は低下して税収が落ち込む悪循環に陥るだろう。簡単な前提だけで考えても税収による日本の国債償還は既に不可能な水域に突入している。

 財務官僚たちの唱える「財政規律」という言葉はゲームの世界ほどの効力はなく、結婚詐欺師が若い女性を口説く戯言ほどのモノでしかない。安倍内閣が何はさて置いてもすべきことは少子対策だった。それは保育園を増設することではなく、子供手当をバンバン大盤振る舞いして財政出動することだ。
 国民が活力を持てる状態であれば国家が財政破綻しても大したことではない。日本は終戦直後に経験したことで、それにより日本という国家が消滅することではない。国民が未来へ向けて希望を持てれば国家は必ず復興する。それは日本国民が過去70年ばかりの間に実証している。

 政治家は財務官僚のゴタクに惑わされることなく「国民の生活が第一」の政治に邁進すべきだ。放射能をばら撒く危険と隣り合わせの原発ときっぱりと手を切り、自然再生エネルギーに真剣に取り組むのが誠実な政治家のありようではないだろうか。
 法人減税は法人の内部留保を促すだけだ。儲かっている法人が従業員に給与として還元しなければ国家が法人税として取り上げるゾ、と脅す方が景気にとって効果的なのは誰の目にも明らかだが、バカな御用評論家たちは「景気対策として消費増税のよる落ち込みを法人減税で補う」などと根拠のない妄言をテレビで垂れ流している。

 成人式を迎えた新成人は心静かに手にした選挙権の行使を真剣に考えよう。中・韓に大して日本の立場を筋を通して対話することと、相手を見下すこととは異なることくらいの分別は持つようにしよう。
 そして何よりもこの国のマスメディアの欺瞞性と大嘘に惑わされない見識眼を持つようにしよう。そのためには常に情報収集を怠らず、自分の頭脳で思惟する習慣を持つことだ。


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