読売新聞の「地方選を悪用するな」には驚きを禁じ得ない。

 これがこの国の冠たる全国紙の第二面を飾る署名入り論説だろうかと目を疑った。「地方選を悪用するな」という見出しで、中身は「地方自治体は国政の専権事項に口出しせず、地方自治法で定められた限定的な所管事務を行えばよい」という、地方自治は政治の揺籃という根本的な使命すら忘れているようだ。
 読売新聞が極めてご都合主義の新聞社だとは承知していたが、かつては沖縄の痛みを国政に関与する者は知るべきだ、との論説を掲げていた同じ新聞とは到底思えない所業だ。署名者の松永某は名護市長選だけに噛みついているのではない。今後予定されている東京都知事選挙でも元総理が「脱原発」を掲げるとは飛んでもないという論調だ。常軌の沙汰を逸しているとしか思えない。

 東京都知事候補者が「脱原発」を掲げることがそんなに見当外れなことなのだろうか。少なくとも読売新聞の政治部次長を激怒させた点だけでも評価できるだろう。
 おおよそこの国のマスメディアは福一原発放射能漏れ事故で即座にSPEEDIを国民に報道しなかった点一つ取っても批判されるべき存在だ。それにより故もなく地元民の多くが放射能被曝した。SPEEDI情報が速やかに伝達されていたなら地方自治体も被曝を最小限に止めるべき行政手段を取れたはずだ。

 現在に到ってもこの国のマスメディアは「原子力規制委員会」の活断層の存在の有無に限定した、極めて原発問題を矮小化したコップの中に閉じ込めた議論に終始して、国民に原発の危険性を広報しないままに放置している。なぜ全国の原発の使用済み燃料棒が大量に原子炉建屋内のプールに保管されたまま放置されているかを伝えないのだろうか。
 既に原発施設は放射性廃棄物の中間保存地化している現実をマスメディアは知っていて報道しない。これほど国民に背を向けたマスメディアが大きな顔をして国民に御託を並べている国も珍しい。

 地方自治体選挙で国政に関する問題を争点にすることに何の不都合があるだろうか。国政も地方の塊に過ぎず、国だけが各地の地方から遊離して存在しているのではない。
 ましてや当事者となる現地自治体で選挙の争点となるのは当たり前だ。読売新聞の猛省を促す。


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