ATM使用料とは何だろうか

 自分の口座から自分のカネを出したり入れたりするのにATMを使用したからといって使用料金を取られるのは常々納得できないものを感じている。確かにATMの普及により銀行が寄り身近に便利なものになったのは否定しない。しかしATM設置により銀行は銀行業務の一端を顧客に強いている事実を無視してはいないだろうか。
 高齢者や機械操作に弱い人はATM利用に一種の恐怖感を抱いている。それに近頃はATMが振り込め詐欺の舞台になっている事件が多いため、ATM利用をためらう人たちがいるのも事実だ。そうしたモノ言わぬ機械相手に顧客に操作させて、しかも場合によっては手数料を聴取するとはいかなる考えからそうしているのか銀行協会の見解を聞いてみたい。

 ATM設置により利便性を享受しているのは顧客だけではないはずだ。銀行もATMなくしては日々の銀行業務に支障が出るはずだ。多くの顧客が各地に設置されたATMをキチット操作して利用しているため、従前の窓口のある銀行店舗数で業務が遂行出来ている。おそらく銀行員数もATM設置により削減できているはずだ。
 ATM使用割引をしろとは云わないまでも、ATMの時間外使用とか他行ATM使用による手数料金の徴収を行うのはいかがなものだろうか。ATM利用者にとって何処の銀行かは大した問題ではない。銀行を利用して自分のカネを預けたり引き出したり振り込んだりしているに過ぎない。銀行は顧客から預かったカネを貸し付けて利ザヤを稼ぐのが本来の業務だったはずだ。手数料稼ぎは本来の姿ではないはずだ。

 しかし現行では銀行は手数料が総収入で大きな比率を占めている。ネット銀行やコンビニ銀行ではネットとATMだけですべての取引を済ましている。しかも普通の銀行よりもATM利用料金は安めに設定してある。
 この四月から消費税の増税により105円だった手数料金は108円になるという。まともに銀行に預けて108円の利息がつくには一体いくら貯金すれば良いのだろうか。銀行は貯金業務から手数料業務へとシフトしたのではないかと思えるほどだ。この国のバンカーが明治の先人・渋沢栄一の銀行こそが日本の近代化の牽引役を果たすというバンカーの気骨を忘れたかのようだ。チマチマとした手数料稼ぎをして利用者にたかるのはそろそろやめようではないか。素人を騙すようなFX取引や小口信託債券販売に一般顧客を勧誘するのも余り感心できない。銀行は誇りある本来の業務があるはずだ。銀行協会の会長が消費増税に伴いATM使用料金を引き上げるなどとアナウンスするようでは渋沢栄一の再来を望むのはどうやら無理のようだ。


このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。