この国のマスメディアはいつまで「一般会計」重視の報道を行うのか。

 全国紙は来年度予算が95.9兆円の史上最大になったことを報じている。そして歳入の43%は国債で賄うとして、去年の46%よりも改善されたが依然として厳しいと論じている。
 しかしそれはこの国の特殊な会計システムで「一般会計」と呼ばれている部分に関するだけの話だ。他にも一般会計に匹敵する大きな会計として社会保障会計や為替管理会計や年金基金会計などが存在するが、それらはなぜか一般会計と切り離されて論じられ、国民はこの国の財政状況の全体像を恣意的に知らされていない。

 特に社会保障会計は一般会計からの繰入部分を除いた保険料収入や企業負担金などの総額は50兆円となり、来年の税収予測50兆円に匹敵する。それほど大きな会計を一般会計から切り離して予算のうち国債発行により調達される部分が41.3兆円で会計に占める割合が43%と水増しされた金額を国民は知らされている。
 すべての負担金や税収などによる国庫に入るカネは約100兆円で予算全体からみれば今再発行の占める割合は30%未満となる。そうすると歳出削減努力を徹底すれば増税に頼ることなくプライマリーバランスは可能な水準だということが解るだろう。

 まず何を削るべきかというとそれは人件費だ。国や地方自治体から支払う人件費をまず3割削減することだ。民間企業の平均年収と比較すれば公務員がいかに恵まれた報酬を手にしているか解るだろう。共済年金と厚生年金は月額一人当たり6.7万円の2倍を超える金額13.4万円を上回る部分は一律カットすべきだ。
 6.7万円とは国民年金の満額支給額だ。国民年金の平均支給額が5.4万円ということに鑑みれば、13.4万円を年金の一人当たり月額支給上限とするのは、それでもかなり大甘な設定といえるだろう。

 そうすればかなり歳出削減できるはずだ。もちろん公務員特別職たる議員たちの年俸も3割カットし、野放図な政党助成金も5割カットすべきだろう。そうすれば地方自治体もそれに倣って、都道府県議会議員たちの報酬も削減されるだろう。
 なぜ公務員の様々な手当や公務員宿舎の全廃が遅々として進まないのか。その理由は簡単だ。議員たちが諸手当のお手盛りを頂戴しているから公務員に対して切り込むことが出来ないのだ。公務員も自分たちのポケットから議員たちに報酬を支払っているのではないから、各種手当を議員たちに与えるのに心は少しも痛まない。むしろ議員に対する諸手当や報酬を大盤振る舞いすることにより自分たちへの批判の舌鋒が緩むのなら願ったりだということだろう。

 読売新聞の12/25日の社説「景気重視で消費増税乗り切れ」とはは摩訶不思議な論理だ。国民から徴収する税を増やすが景気へのカンフル剤として法人減税をするというのだ。何ともおかしな論理だが、官僚の広報紙に堕したマスメディアにとって論理矛盾も平気のガッパなのだろう。
 論理的な前提が「アベノミクス効果により景気回復は鮮明になって来た」から個人消費増税も「平気だ」というのは基本的な経済状態の認識を疑をざるを得ない。マスメディアはいかにも景気が回復基調であるかのようにブランド物が飛ぶように売れているとテレビなどで競って報じているが、ブランド店が相次いで日本に開店したのはアベノミクスによってではない。デフレ経済下でもブランド店の日本展開は積極的になされてきていた。そうした世間の上辺に吹く風で景気動向を占うのは素人の経済学だ。なぜ国民所得の可処分所得の増加を盛って景気回復としないのだろうか。そうした意味では依然として景気は回復傾向にあるとはいえない。依然として厳しいままだ。km2295記


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