「国家戦略特区」は本当に成長戦略たり得るのか。

 なんとも分かりにくい政策だ。「国家戦略特区法」で検討方針は▽医療▽雇用▽教育▽都市再生・まちづくり▽農業▽歴史的建築物の活用、の6分野で構成するとしている。その要旨は特区内で規制を緩和して、たとえば公立学校運営を外部委託するなどし、病院などでも厳しく規制されている病床数の規制を撤廃するとしている。さらに混合医療の促進を図り自由診療の早期導入を促すとしている。
 画期的といえば画期的だが、その様は商売に利用できるものなら規制を撤廃して何でも闇雲に商売にしようとしているかのようだ。

 医療では海外の医師資格保有者を日本国内でも医療従事の機会を拡充し、医学部の新設も認めようとしている。これは由々しき問題だといわざるを得ない。
 海外の医師資格は日本の医師資格と比較してどうなのかという検証をまずしなければならない。なぜなら日本よりも高度な学習を積んで医師資格を得た者が日本に好んでやって来るとは思えないからだ。医療教育水準の低い国から医師資格を所持する者がやって来たとしても、直ちに日本の医師と同程度とみなして普通の医師として処遇することは出来ないだろう。

 なによりも危惧するのは特区の中で公立学校の運営を民間委託するということだ。学校はモノを製造る工場ではない。民間でできることは民間でやるのが良いに決まっているが、公立学校は別物だ。
 学校教育は建物さえあればどのような運営であろうと構わないというものではない。敷地のすべてが教育であるべきだ。木々の一本一本までも故事来歴があり、桜の木には卒業生たちが涙した記憶が刻まれている。そうした建物などの管理運営を外注委託するのは教育を知らない者の発想だ。

 特区構想は解らないでもないが、それを以て成長戦略とはおこがましいにも程がある。国民経済にどれほどの波及効果があるのか、それともなし崩しに法規制をなくすだけなのか、真意を見極めなければならない。小泉時代になされた悪行三昧の派遣業法規制緩和により労働環境が悪化した経験を忘れてはならない。


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