<減反政策廃止>なし崩しの政策転換は許されない。

 自民党はきっちりと自己批判すべきだ。減反政策は1964年頃から問題化し始めた「食管会計の逆鞘」を解消すべきとして、1970年に第三次佐藤栄作内閣により減反政策が導入された。
 この場合も減反補助金に見合う「財源」はなかったが、食管会計の赤字よりもコメを作付しなかった面積に応じて農家に直接支給することにより生産調整しようとした。

 減反政策という市場原理を無視した野放図な政策により、食管制度は事実上瓦解していたにも拘らず、政府はそれ以後もコメの国内自由化まで食管制度を存続させた。そして食管制度と表裏一体の農地法は現在も存在させて、農地の流動化を阻害している。
 そうした歪な農政を歴代政権は放置し続け、内外格差を拡大させて日本の農業を根底から弱体化させた。そうした政府・農水省の自己批判なしに減反政策を廃止するのはTPP参加後にISD条項により提訴されるのが火を見るよりも明らかなため先手を打ったと見るしかないだろう。

 奇しくも選挙で支持者の固まっている地域を票田と呼ぶ。農業団体は久しく自民党の票田だった。働かなくても田を持っているだけで補助金が懐に入るのだから、政権政党だった自民党以外に農家の票が流れる理由がない。
 いわば減反政策は公金による自民党の買収装置だった。減反補助金2120億円と2008年当時6677億円の土地改良補助金が自民党の長期政権を支えた。しかし市場原理を無視し、圃場整備した田を減反政策により休耕させるという矛盾した政策により農家は未来に対する展望を失ってしまった。

 民主党政権下の小沢幹事長時代に土地改良事業費を半額の2000億円に減額したことがあったが、小沢氏が国策捜査により失脚させられるや4000億円に回復させている。民主党政権がいかに自民党になりたかったかが解るだろうか。
 抜本的な農政改革をすべての政治家は国民に提示すべきだ。食糧は農家だけの問題ではない。農地法はあらゆる方面に多大な束縛を強いている。戦後農地解放により俄か自作農になった多くの農家は農地を所有しているという観念を捨てて、管理させて頂いているとの観点に立つべきだ。そして自民党の政治家は長らく票田として農家を公金で買収してきた浅ましい姿を自省すべきだ。農政改革は自民党の自己批判から始まる。


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