「日韓歴史認識の発掘」といういかがわしさ、とその後ろ向きの偏執的な観点を嘆く。

 戦時中に日本の炭鉱で朝鮮人を「強制労働」で死に追いやった、という「歴史的事実」を発掘して、日本人と朝鮮人が「歴史認識を共有」しようという「会」が北海道の美唄であったという。それに参加したのは日本人や朝鮮人や在日朝鮮人などの若者で、強制労働で亡くなった朝鮮人が埋葬されたという場所を発掘して遺骨を改葬しようという試みもみられたようだ。
 しかし戦時中、エネルギー不足を解消するため日本全国の炭鉱で闇雲な増産を図ったのは事実だが、すべて朝鮮人を強制的に使役して実施したのではない。もちろん日本人も石炭増産に「徴用」され、粗悪な安全施設の坑道奥深くに入って落盤事故に遭い亡くなった人たちも多くいる。

 全国の軍需工場に徴用された日本人旧制中学生や女学生徒たちの多くが米軍機による空襲で亡くなっている。戦争とはそうした悲惨な「消耗戦」であり、「殺しあい」でしかない。だから他国への領土侵略や人種的な虐殺や軍事的に他国民を支配することを憎み、この地球から戦争をなくそうとしているのだ。
 どのような目的から日本人が「歴史認識の学習の場」を設けて何をしようとしているのか、それが「歴史認識」と称して日本の非を論い、新たな賠償の場を設けようと目論んでいるとしたら飛んでもないことだ。

 ちなみに炭鉱跡近くの原野に入って、炭鉱で亡くなった朝鮮人を埋葬したという場所から遺骨を発掘しようとしたが、人間のものと思われる骨は発掘できなかった。それは当然のことだと思う。炭鉱などで徴用で働かせた人たちが亡くなって、遺体の回収が困難な場合を除いて、当時の日本人が朝鮮人の遺体だからといって穴を掘って投げ入れたとは思えない。死者に対しては相手が何人であろうと礼を以て接するのが日本の古来からの風族・習慣・伝統だ。

 戦争とは狂気の沙汰だ。その狂気の沙汰の時代に何があったかを発掘するのは「戦争の狂気」を考えるには良いだろう。しかしそれを日韓併合時代の朝鮮人に対する「虐待」を掘り起こそうとするのはいかがなものだろうか。戦争下の「徴用」は何も朝鮮人に限ってあったことではない。日本国民も勿論国家総動員令に基づく「徴用」により強制的に軍需工場や炭鉱や輸送機関で働かされた。それが国家の総力を傾注する近代戦争というものだ。ことさら日本人の提唱によって「朝鮮人の徴用」だけを取り上げる活動が果たして「歴史認識」の糧になるのだろうか。

 そうした「歴史」を発掘するのが」歴史認識を赤める」というのなら、同時に終戦直後に半島で日本人に対して何が行われ、虐殺された日本人が何処に埋葬されたかを「発掘」する活動が朝鮮人によってなされるべきだ。人類の狂気の時代を回顧し反省するのは無駄ではないが、それが殊更日本人と朝鮮人との間だけで起こったと考えるのは微視的に過ぎるだろう。それは戦争という狂気を前提にしなければならない。しかし狂気の証を発掘して一体何が」歴史認識」の糧になるというのだろうか。

 客観的な「歴史認識」を深めるのなら日本が併合後の朝鮮半島に対してどれほどの社会インフラ投資を行い、朝鮮人の教育水準の引き上げと医療水準の引き上げに貢献したかを史料に基づいて「検証」すべきだろう。そしてアジアやアフリカで欧米列強が植民地に対して行った行為と比較検討すべきだ。
 朝鮮半島に日本が社会インフラ整備の投資を行ったものまでも大陸侵略の一環だった、とほざくバカがいるが、大陸侵略の一環だったとしたらなにも朝鮮人の教育水準や公衆医療水準の引き上げに腐心することはなかっただろう。当時の日本政府が目的としていたのは半島に朝鮮人による独立国家が樹立されることだった。それにより朝鮮半島が軍事的に安定化し、日本の安全に寄与すると考えていたからだ。だから朝鮮人を日本人と区別なく警察官や軍人に登用したのだ。朝鮮人を一人前の国民に育て上げ、朝鮮半島に国家を樹立させようと育成していたのだ。

 現在の中国やロシアや米国は半島を分断したまま彼らの思惑により、分断国家として朝鮮半島と朝鮮人を放置している。彼らが戦前の日本より半島に対して優しいとは到底思えないし、朝鮮人の未来を慮っているとも思えない。彼らこそ朝鮮半島を彼らの利権構造の維持のために利用しているに過ぎない。そうして思いに到らない朝鮮人の微視的な観点を心の底から憂えざるを得ない。


このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。