TPP賛成を掲げる日本マスメディア各社の本音を聞きたい。

  非関税障壁までも撤廃する、としているTPPに参加するメリットとは何だろうか。お互いに独立国家としての各種事情や国内政策を勘案しつつ貿易協定を結ぶのが「大人」としての国際関係のあり方だと思っていたが、TPPは恰も条約参加国は米国の属国ないしは所属州のように扱われるのがそんなに必要なのだろうかと懐疑の念を抱く。


 貿易立国により明治以来日本は国家を維持してきた。その間人口は3000万人ほどから1臆2千万人を超えるほどに発展してきた。もちろん日本の国土による農業生産だけでは食糧が十分でないから、貿易により人口も増加したと見るべきだろう。


 


 そして日本が最も発展した昭和40年代から50年代にかけて貿易立国の恩恵を最大限発揮していたわけだが、それでもGDPに占める貿易割合は20%ほどでしかなかった。現在の中国35%や韓国の50%を超える依存割合と比較するなら、それほど貿易に加重依存していたわけではない。


 現在は13%ほどにまで低下しているし、さらに企業の海外展開意欲が衰えたわけでもなく、海外への投資意欲は依然として強いものがあるが、日本の経済構造が今後貿易に傾斜していく趨勢にないのは歴然としている。


 


 そうした中で、何が何でもTPPに参加して貿易を発展させなければ国家存亡にかかわる、と説く根拠は薄いと判断せざるを得ない。ましてや日本国内の農業保護政策により国内生産農産品が高値安定しているがために海外の安い農産物が日本へと輸出されているのであって、日本国民の購買力もそれ相応のものがあって現在の国内農産物価格が形成されている。その中間に農水省所管の「農水産物への関税課税特殊団体」が国民に売り渡す値段に「税」と称する利権を上乗せできるのもそうした価格の恩恵だ。


 


 そうした構造が決して良いことだとは思わないが、国内零細農業を国民すべての負担により支えている現状から次のあるべき姿が明確に政策提言され、実現可能国家プロジェクト化されていない限り安易に農産品の関税を撤廃すべきではない。国内に供すべき農業があればこそ、海外は安い価格を提示して輸出してくる。世界で産油国が偏っているからこそ、原油が1バレル100ドルを超えて取引されているのを見れば明らかだろう。


 


 官僚たちが自らの特別誂えの「関税特会」を放棄するとは到底思えない。それより、関税を残しつつ率を下げて行く方向が官僚たちの本音ではないだろうか。


 もちろん公的簿記を複式会計に移行させて「総額主義」により特会などをすべて歳入として一元化すべきだが、それまで官僚が甘い利権を手放すとは思えない。


 いずれにせよ、関税自主権は独立国家の条件の一つだ。それを自ら放棄するとはお目出度い世の中になったものだと思わざるを得ない。TPP参加を煽って来た日本のマスメディアの本音を一度聞いてみたいものだ。



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