「G20で中期財政計画を説明しアベノミクスに理解が得られた」は笑止千万だ。

  安倍政権で8月8日に取り纏められた「中期財政計画」そのものが中途半端なモノなのは誰の目にも明らかだ。なぜなら歳入に大きな影響を与える8兆円と見込まれる「消費増税」を規定りものとして取り込んでいないからだ。もちろん10月にどうするかを決める、という安倍首相のフリーハンドを確保するために「中期財政計画」の確実性が犠牲となった格好だ。


 そもそも「中期財政計画」に基づき来年度の予算で4兆円ほど財政赤字を縮小する、というのも画餅だ。まだ歳入予算が確定していない現状で、歳出が総額100兆円という予算をどう切り込むつもりだろうか。衆・参両議院選挙で自公政権は各種団体に支持を仰ぎ大勝を得た。それらの各種団体が今度は圧力団体に変じて安倍政権の歳出拡大を強力に要請してくるのは明らかだ。


 


 安倍氏は各種圧力団体を重く見て、国民を軽んじたなら、安倍氏が頼みの綱にしている内閣支持率はたちまち秋の陽の夕日と同じく「釣瓶落とし」となりかねない。


 中期財政計画は向こう3年間の計画だが、その間に何をどうするのか、具体策は何も書かれていない。すべては消費増税が決まってから書き込まれるものと思われ、そうした途中経過に過ぎない「財政計画」をG20に集まった各国首脳が「理解を示した」というのならG20に集まった各国首脳は揃いも揃ってボンクラばかりだということになる。


 ただ、日本経済が好調を取り戻し、世界の経済と金融支援の下支え役を日本が果たすことを期待しているという。それが「消費増税の国際公約」の実態だというのなら、日本国民は世界経済と金融のために痛みに耐えろ、ということになる。日本政府は誰のためにあるのか、という根源的な議論を始めなければならないだろう。


 


 中期財政計画どころではない、今後永遠に日本が繁栄していくためには経済成長を続けるしかない。日本は利用できる地下資源が少ない国で、食糧も小麦を中心とした穀物類を輸入に頼っている。国民を飢えさせず食糧を行き渡せるためには国民の購買力を最低生活費以上確保させる必要がある。


 そのためには生活に必要な収入を得る雇用と、すべての老人に最低限度の年金が用意されなければならない。それを可能にするには経済が成長する経済構造に戻さなければならない。国内産業構造が空洞化して、何が「中期財政計画」だろうか。


 


 生産余力がある限り投資が本格化するのは無理だ、という経済評論家がいる。彼らはこの時代のIT進歩と技術進歩を無視しているかのようだ。世界各国と日本企業の生産性が同じなら人件費の安いところへ企業展開しなければ製品価格で太刀打ちできないだろう。しかし生産性を上げれば海外展開する必要はない。それを可能にするのは新規生産設備投資だ。


 日本国内の企業がそうした方向になれば雇用は本格的に回復し、個人所得も堅調さを取り戻すだろう。そのためには経営者が安易な「コストカット」や「海外展開」と称する安価な労働力に頼る安直な経営姿勢を改めることだ。


 経営者の資質や能力改善にこそマスメディアは旗を振るべきだ。安倍政権に群がる各種圧力団体はまず「国民の生活が第一」であることを肝に銘ずべきだ。国民の生活が改善されなくて、各種団体だけが良くなることはあり得ない。財政計画もGDPの半分を占める個人消費を痛めては決して達成できないことを肝に銘じて、経済成長をまず本格的なモノにする政策を大胆に迅速に実行すべきだ。「消費増税」で収支の辻褄を合せようとする財務官僚の甘言に耳を貸してはならない。



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