対中国政策は長期的視野と広角的連携で。

 これからの日本の防衛構想の基本はASEAN諸国との連携を図って中国の新帝国主義と対峙することになるのは必然的な流れだ。それは尖閣諸島に触手を伸ばし、かつまた沖縄列島にまで「琉球王国は日本が武力で奪ったものだ」との暴言まで飛び出している状況は尋常ではない。

 翻って、中国どうだろうか。清国瓦解の後の戦乱から国民党を倒して1948年に政権を樹立した中共政府はたちまち旧満州までも中国だとしたのみならず、チベットやウィグル地区まで軍事侵攻して占領し、台湾までも「一つの中国」と主張して世界に中国領だと宣言している。その様は明らかに19世紀半ばまで欧米列強がやっていた帝国主義そのもので、周回遅れで帝国主義的覇権を近隣諸国に及ぼそうとしているかのようだ。



 そうした中共政府を容認するわけにはいかないし、たとえばヴェトナムやフィリピンが中国の軍事進攻の危機にさらされることになった場合、日本は手を拱いて眺めているわけにはいかないだろう。彼の国々に協力して地域の安全を守らなければならない。

 改憲に向けて日本政府は「集団的自衛権」を巡って議論しているようだが、集団的自衛権を発動する相手は何も米国だけとは限らない。ASEAN諸国と軍事連携からまず話し合うべきだ。中国は世界各国に将来中国海軍が寄港することになるだろうと想定してか、港湾施設の改善や新規開設を持ちかけている。陸の巨人から海洋国家へ脱皮し、軍事的な世界支配を目指しているかのようだ。



 しかし、中国は何事においてもやり過ぎている。常識というものを弁えていないかのようだ。世界は中国に嫌悪している。特に欧米先進国は遅れて先進国入りしようと他者を強引に押し退ける中国の厚かましさには辟易している。

 だがそれも経済進出の範囲だけなら辟易としていても済まされるが、貿易商船の後ろに中国軍艦が控えていては心穏やかならぬものがあるだろう。かつてソ連もロシア周辺の異民族国家を軍事力で斬り従えていた。国家の構図としては現在の中国と似通っていた。そのソ連がどうなって瓦解したか、歴史は中国の行く末を暗示している。



 中国は国内の社会保障整備を後回しにして、軍事力増強に国力を注ぎ込んで来た。しかし今後もそれが許されるだろうか。そして中国リスクに気付いた先進諸国が中国から投資を引き上げていることからも、中国の中・長期的経済が予測できるだろう。

 中国は自前の資金や技術力で躍進したわけではない。ただ豊富な安い労働力があっただけだ。しかしその安いはずの労働力が高騰し、豊富な労働力も気がつけばかなり横暴気儘な質の悪い労働力だと解って来た。唯一「巨大な購買力」と見なしてきた13億人の人口も、どうやらハリボテに過ぎないのではないかと企業進出していた企業家たちも理解し始めた。



 中国はこれまで以上に国威発揚に向けて無用な挑発を近隣諸国に行うだろう。そうしなければ国民の不満が中共政府に向かいかねない。ますます常軌を逸した軍事的膨張主義を近隣諸国に及ぼすだろうことは想像に難くない。日本は米国との軍事同盟関係を存続させながらも、ASEAN諸国と軍事連携を構築すべく積極的な外交を展開すべきだ。たた常に中共政府に対して「対話の扉」は「開かれている」とのメッセージを送り続けることは必要だ。


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