何処から出て来たのか「凍土工法」を検証せよ。

 福一原発から大量の放射性物質が環境へ流出するのを防ぐのが何よりも優先されるのはいうまでもない。放射性物質による環境汚染は健康被害のみならず生命の命すら奪う恐ろしいものだ。
 そのうちの一つ、地下水流入による汚染水の海への流入および地下水の汚染は原子炉溶解が判明した時点から心配されていたことだ。その対策を碌にとらないで「収束宣言」したり「完全ブロック演説」をしたりと、この国の政治家たちは余りに不誠実に過ぎないだろうか。

 そして今度は地下水流入を認めるや「凍土遮蔽方式」などという地下トンネル工事で湧水を一時的に防ぐ工法を地下水の遮蔽に使うというのはいかがなものだろうか。その工法が有効なのか、そして有効に「遮蔽壁として機能している」と検証できる代物なのだろうか。
 そして更に、工法として有効と同時に掛る費用も合理的に判断して安価なのかという検討はなされたのだろうか。絶えず超低温で冷却するためには膨大な電力を投入し続けるしかないだろう。その費用対効果も検証したのだろうか。

 そして最大の疑問は流れている地下水流を凍土方式で「面として」凍結するのが可能なのだろうかという疑問だ。水が熱を伝導するのは対流によるのが大半だ。対流の起こりにくい所では水温が随分と異なるのを経験として知っている。
 つまり水そのものの熱伝導率は極めて低いことを知らなければならない。だから池の表面に氷が張っても、下の水は4℃のまま凍結しないのだ。凍土方式で土地の中を流れる地下水に対流は起こらないと見なければならない。それでも熱が土を伝導媒介として伝わって地下水を凍結させるのだろうか。

 今後何年間、地下水遮蔽壁が必要なのか、という検証もなされたのだろうか。少なくとも数年という単位ではない。百年単位で遮蔽壁は存在し続けなければならない。それなら原子炉建屋を取り囲むように地下数十メートルまで掘り下げて、コンクリートの地下堤防を建設する方が実用的ではないだろうか。
 そうした検討も専門家によってなされたのだろうか。凍土方式で地下水の湧水を数十年のみならず百年単位で遮蔽している経験があるのだろうか。環境への負荷が少ないと解説している評論家がいたが、彼は既に放射能汚染という飛んでもない負荷を環境にかけている現実を失念している健忘症なのかと驚いた。

 環境への負荷ウンヌンよりも確実に百年単位で地下水を遮蔽する機能を有するモノであることが必要だ。その点を第一に考えるべきだ。まず凍土方式前提の議論は廃すべきだ。
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