共産党が躍進したのではない、99%の側に立つと表明した野党がなかっただけだ。
7月の参議院選挙では共産党が党勢拡大したが、それは共産党が票を獲得したからだが、共産党が国民の支持を得たからではない。それが証拠に共産党の機関紙「赤旗」が購買部数を減らしている。
野党再編を御用評論家たちは自民党の圧勝を得て、余裕を以て千日談義を弄している。つまり、どんな発言をしようと野党再編は出来っこないから責任をとる必要はない、ただ出演したテレビで少数分裂野党を愚弄して安心して遊んでいる。
ただ余りに無定見過ぎる議論遊びをしているのには腹が立つ。少なくとも評論家たちはもっと現代日本社会の死に到る病の病巣の所在を示すべきではないだろうか。
そうしなければ永遠に野党は少数分裂野党として政治を弄んでいれば飯のタネにしているだけだと思われかねない。国民はチマチマとした野党政党が掲げる公約に何も期待していない。
維新の会の掲げる大阪都構想やみんなの党の道州制は行政区分の変更に過ぎず、それが行政改革の起爆剤になるとは到底思えない。むしろ複式簿記を全国の公的機関に採用させて、会計システムを全国で統合する方が遥かに効果は大きいだろう。
それが困難なことでないことは全国に一万軒以上のフランスャイズを抱えるコンビニがポスシステムにより一瞬にして売り上げから在庫の把握まで行っていることに鑑みれば明らかだ。それらのシステム改革に莫大な金が掛るというのは官僚の根拠なき脅しであって、コンビニのシステム担当を国会に招聘して話を聞けば簡単に解ることだ。
つまり与野党が対決すべきマターはそうしたチマチマとした行政のテクニックの問題で終始してはならないということだ。政治家が政治的命題として現代社会のありようを選択すべきは1%のための社会か99%のための社会かだ。
明快な意志を持って自らの不利益を承知の上で99%の側に立つと宣言したのは「消費増税」の民主党から反対を貫徹して離党した小沢氏たちだけだ。共産党は常に与党提案に反対してきたから、消費増税にも反対なのは考慮するほどのことでもない。他の野党政党は社民党を除いて明快に「消費増税」に反対していなかったことを忘れてはならない。
TPPに反対していなかった政党も信用してはならない。原発に関しても即時廃炉を主張しなかった政党も信用してはならない。
テレビで出演料稼ぎの商売評論家たちは論点をわざとぼかして、国民に政治が1対99の対決の局面に到っていることを知らせない戦略のようだ。彼らもまた1%の勢力に奉仕する走狗に過ぎないのだから。