原発再稼働を煽る「読売新聞」は原発事故の現状を少しは伝えたらどうだろうか。

  今日七夕の読売新聞の社説はあまりに酷い。何が何でも原発再稼働させたい一心のようだ。そのためなら理由にならない屁理屈を掲げて世論を徒に煽ろうとする。


 曰く「電力安定で経済再生に弾みを」、曰く「電気代2倍でどうする」、曰く「人材の枯渇が心配だ」と、国民の心配には何も答えていないで、闇雲に再稼働のための屁理屈を並べ立てている。


 


 電力安定供給が出来ていないと考えているのは読売新聞だけだろう。電力不足で読売新聞社の輪転機が止まって印刷できない事態が発生しているというのだろうか。それとも、電力不足で電気自動車の開発に待ったが掛ったとでもいうのだろうか。


 経済再生に必要なのは電気ではなく、新規製造設備投資だ。そのためには読売新聞などが煽りに煽って海外移転した企業を国内にUターンさせ、国内雇用改善と同時に経済成長に資すべく生産設備投資を促進することだ。国内労働費が海外の3倍ならば3倍の生産性を上げられる新規設備投資をすれば良い。その方途を考えるのがマトモな経営者で、労働費の安い海外へ移転して利益を上げる「焼畑式経営」をするのなら、そこら辺のボンクラにも出来ることだ。


 


「電気代2倍でどうする」とは、異なことを書き立てているものだ。原発事故が起きるまででも、日本の電気料金は世界先進国の平均的な電気料金の2倍近くしていた。政府補助をしている韓国の電気料金と比較すれば3倍だった。


 しかも日本の電力企業の実態は「国営」に限りなく近く、競争のない地域独占事業に胡坐をかいていた。それで非効率な経営が罷り通り、電気料金の原価は「総括原価主義」という摩訶不思議な方式を官僚と政治家たちがグルになって認め、国民の高い電気料金を賦課していた。


 そうした電気事業に対する批判もなく、原発停止により「電気代金が上がるゾ。それでも良いのか」とマスメディアが国民に脅しをかけるとは何事だろうか。彼らは自分にたちに与えられている第三の権力の使い方すら忘れて、原子力ムラの機関紙になり下がっているのだろうか。


 


「人材の枯渇が心配だ」とは寝言を言うなと云いたい。現状のままウランを消費すれば世界のウラン資源は100年ももたないといわれている。原子力こそ限りある資源で、これから育成すべき人材は原子炉を廃棄する人材だ。その育成場所は福島にある。東電幹部は東京本社にいないで、大挙して福島へ移動すべきだ。そこで福一原発収束作業のバックアップや放射性物質除染の実務に従事してスキルを磨くべきだ。


 全世界には稼働40年を経過する耐用年数の経過を迎える原発がたくさんある。それらの廃炉作業を日本が請け負えば良いだろう。そのために福一原発の収束作業へ向けて日本の科学技術の粋を結集して作業用ロボットや機器の開発を行うべきだ。そして現場作業の手順などの蓄積を行い、人材を育成すべきだ。読売新聞の懸念する「原発稼働用の人材枯渇」よりも、原発廃炉の人材育成こそこれからの世界が必要としている。


 


 原発再稼働よりも、原発なき社会を日本は築くべきだ。そのために必要な発・送電分離や電力自由化などの措置を一日も早く達成すべきだ。何が何でも原発再稼働を進める社説を掲げ、荒唐無稽な屁理屈を並べ立てる読売新聞は国民に対して少しは恥を感じてはどうだろうか。



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