「消費増税」に反対する。

  デフレ経済からの脱却と称して、安倍政権は強引に金融緩和を行い「円安」「株高」を誘導した。しかし100円程度の為替レートは決して円安とはいえない。バブル崩壊前後の円為替レートは120ほどであったことに鑑みれば「円安」誘導も道半ばだというのは明らかだ。


 「株高」という表現も実態を表わしていないのはバブル当時の株価が38000円を超えていたことからも明らかだ。決して「円安」でもなければ「株高」でもないのをマスメディアは囃し立てて国民に景気までも回復したかのように錯覚させている。


 


 景気は良くなっていない。日銀短観はあくまでも企業経営者の「良くなったと思う」という感じた人数が「悪くなったと思う」と感じた人数との比較で回復基調にあるか否かを発表しているに過ぎない。つまり計数的に表れたものでない、きわめて感覚的な数字だということだ。意地悪い表現をすれば、当局が操作しようとすればどうにでもなる数字だということになる。


 


 「消費増税」を国際公約だ、という評論家などはIMF理事長などの記者会見をそのまま引用しているのだが、日本人でIMF入りしている人材は多くが財務官僚OBだ。IMFの理事が「日本は消費増税を実施すべきだ」と発言したから国際公約だ、というのはおかしい。それは財務官僚と口裏を合わせているとしか思えない。


 IMFが世界経済を考慮に入れての発言だとしたら、まず「消費増税」に言及するのは間違っている。そうではなく、日本政府は税収増に腐心すべきと発言するに止めるのが常識的だ。具体的に「消費増税」と踏み込めば、それは内政干渉だし、日本政府の徴税権に言及するということは、すなわち独立国家たる日本政府の専権事項に言及するのは、内政干渉そのものでしかない。国際機関としては慎むのが常識的だ。


 


 たとえIMFが常軌を逸して言及したとしても、日本政府は国際機関のために政治を行っているのではない。日本国民のために政治を行っているのであって「消費増税」が日本経済を再びデフレの底なし沼に突き落とし、さらなる税収減を招く効果しかないだろうとは明らかだ。それでも「消費増税」を主張する人たちはかつての橋本内閣で3%から5%へ増税した途端に回復基調にあった景気を失速させた経験に何も学んでいないことになる。


 


 広く薄くすべての品目に例外なく課税する日本の消費税はすでに欧州基準の消費税率の水準に達しているか、既に上回っている。日本の消費税5%が低率だという評論家や企業家は低能だ。


 例外なく食料品や教育費や医療費にも課税している5%の日本の消費税は世界と比較してもすべての国民が負担するには限界税率だ。そもそも税には基本理念として富の再配分が託されていた。その基本的な理念にも消費税は反する。


 


 国際公約を果たして誰が得するのだろうか。誰が誰からどのように評価されて何が期待できるのだろうか。準国際通貨「円」の信認が為替相場を安定させるために日本の財政規律を回復させる必要がある、というのなら「消費増税」でなくても良い。


 まずは景気回復をすることが先決だ。そのためには企業が溜め込んだ内部留保を設備投資に活用させるのが第一だ。それにより雇用を増やし、国民所得を増やし個人消費を増やすことがどんな政策よりも最優先されるべきだ。「消費増税」して景気を悪化させる暇はない。それでもというのなら景気後退下のインフレ経済の泥沼に国民を突き落とそうとしているとしか思えない。



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