これが日本の未来で良いのだろうか。

  7/16講談社より刊行される雑誌「現代ビジネス」に田原総一郎氏と竹中平蔵氏との対談が掲載されている。その一部を引用させて頂く。


『 田原: つまり、人口減少社会でも成長があり得る、と。それと僕はいちばんの問題だと思うのは、つまり、長期と短期の問題をごっちゃにしているところだと思う。たとえば、30年後、50年後には今の人口が1億人を切って、8,000万人とか7,000万人になると、長期的には消費は落ちるでしょうね。でもそれと、短期の3年、4年の話とは違うでしょう。それをごっちゃにしているんじゃないか、と。


竹中: それと、本当に10年、20年のタームだと、移民を受け入れればいいんですよ。それで、普通はアメリカでもオーストラリアでも成長戦略を議論する場合には、必ず最初に移民の問題を議論するんです。


経済成長に必要な人材確保に移民受け入れの議論は不可欠


田原: なんで移民の議論は出てこないんですか? 産業競争力会議で移民の議論なんか出てこないじゃないですか。


竹中: いや、私はしていますよ。他の人が賛成しないから出てこないんですね。私は産業競争力会議の議論で最後の最後まで言っています。「移民」という言葉だといろいろイメージするものがあるので、「経済成長に必要な人材確保と人材交流については、官房長官の下で長期の議論をする場所を作ってほしい」というふうに言っています。


田原: 多分、6月の中旬の報告には出てこないんじゃないの?


竹中: わかりませんね、まさに今それをやっています。私はそのことは退かないでちゃんとやるべきだということを主張しています。


田原: その場合、移民の規模はどのくらいですか?


竹中: まだまったくその辺はわかりません。ただ、毎年毎年、2030年を過ぎると日本の人口って100万人強減ってくるんですよ。そうすると、たとえば私の学生、とくに女子学生なんかに「いちばん欲しいものは何か」と聞くと、ほとんどの人がメイドさんだって言いますね。だって自分が働くには必要ですから。


 ただし、ルールをちゃんとしないと社会が混乱するというのも事実ですよ。だから、ちゃんと議論しましょうと私は言っているわけで、無条件で受け入れるなんてことはできないですが、そんなふうにタブーを作っちゃいけないんですよ。さっきの解雇の話もそうですが、タブーを作るべきではないし、タブーを作るのにひと役買っているのはメディアなんですよ。』(以上引用終わり)


 日本の女子学生は本当に家事をしてくれるメイドを欲しがっているのだろうか。そのための移民を容認して、日本は本当に経済成長を続けられると思っているのだろうか。新自由主義者たちはドイツやフランスで人口の一割以上を移民として受け入れて来た社会がどれほどの困難に直面しているか御存知ないのだろうか。


 スウェーデンも移民を大幅に受け入れて、現在では殺人事件などの犯罪超大国になっている。なぜかつての米国大統領が国家形成に「民族自決主義」を唱えたか、その深淵を理解しているのだろうか。民族が異なれば宗教や生活習慣が異なり、偶々出会って僅かな時間を共にするのならそれほど問題にならないことでも、地域社会を異民族が形成するとなると様々な問題が顕在化せざるを得ない。


 そもそも田原総一郎氏が指摘しているように、人口減の少子社会に経済成長は困難だ。それを移民の推進により煩雑な仕事を移民に負わせる、という発想は日本国民のものではない。それはかつてアフリカから原住民を拉致して売買し、奴隷として使役した米国富裕層の発想だ。新自由主義者の仕事は1%に奉仕することに他ならない。はしなくも、そうした事実を顕著に現わした対談だ。ぜひ精読されることをお勧めする。



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