安倍氏は国際社会では経済力が政治力になることを忘れてはならない。

  中国が世界各国へ強引な投資を拡大して、世界各国で軋轢を生じている。それでも中国は外需頼りの中国経済を拡大していくしかない。13億人もの国民を飢えさせず、しかも生活を向上させ続けるには、今後は中国社会へのインフラ整備に政府支出の多くを割かなければならないだろう。そうした用意が中国政府にあるだろうか。


 国家の発展は軍事力だけ突出してとか、経済力だけが突出してとかいうことはない。もちろん国民の生活・文化も向上しなければ国家としての発展はないし、国際社会に広く受け入れられなければ国家として信用力に翳りが出るだろう。


 


 そうした意味で中国は世界的な国家とは云い難い。習近平氏が米国を訪れてカリフォルニアのパームスプリングで2日間にわたってオバマ氏と会談している。習氏はオバマ氏と二人して「太平洋を支配する超大国」を演出したかったようだが、オバマ氏は従業員15万人を抱える中国の通信企業によるサイバー攻撃への不信感を隠そうとしなかった。


 日本にとって問題なのは中国が米国に「太平洋安保」を持ちかけたことだ。地理的に見れば、太平洋を挟んで中国と米国が対峙すれば日本は中国の呑み込まれかねない。今は米国本土に対する防波堤としての役割を担わされているが、中国は反対に世界の超大国から中国本土を守る防波堤として日本を利用したいのは山々だろう。


 


 現在ほど中国が盛んに世界進出出来るようにしたのは経済力だ。その経済力は外国投資頼みであったにせよ、中国国内で力をつけた中国企業が世界に無言の圧力をかけるまでになった。現実に通信・電子企業で中国内の一位と二位の企業が米国により「サイバー攻撃」を米国に対して行っているのではないかと疑うほどになっている。そして米国政府はその両者から納入された電子部品を採用していた軍需・通信機器から取り外すように指示している。


 日本から中国に投資してきた電子機器関連企業にも責任の一端はある。同じく自動車企業も中国への投資は慎重を期すべきだ。中国は最初はコピーでも、その後は独自に世界から人材をハンティングして、中国企業として政府の強い統制を受けながら技術力をつけている。


 


 儲かりさえすれば良いという考えは捨てるべきだ。日本政府は国内企業の中国進出に対して日本の国防上問題があるか否かを慎重に判断すべきだ。なんでも海外進出するのは「発展だ」というバカな考えは捨てるべきだ。


 中国の体制が民主主義に変わるまで、日本は中国を明確に「敵視」しておかなければならない。中国が経済力を身につけるに従って、海洋利権にまで手を広げてきた。今後も中国が経済力をつけてくるに従って、日本に対する具体的な軍事的脅威となって来るだろう。


 


 日本国内経済を力強いものにするためには、日本の企業各社が国内に対する企業投資を増大するように誘導策を展開しなければならない。若い日本国民が国内に家庭生活を営むに足る給与を得る職場が十分にあるとは思えない現状こそ問題だ。さらに若い人たちが国内で安心して働ける場を創出するように政府は最大の努力をすべきだ。


 テレビ番組制作者たちは芸人たちの「豪邸」巡りや「飽食」食べ歩きを放映して、若い国民に一体何を発信しようとしているのか。下積み苦労話をつけ足せば芸人として成功した者たちはこんなに豪勢な暮らしができると宣伝して、若い人たちから勤労意欲を殺いでいるとしか思えない。そうした楽屋裏は演目として出さないのが暗黙の仕来たりではなかっただろうか。


 


 安倍政権は企業の海外移転を促進する、などとバカげた政策は直ちにやめて、国内への回帰を促すべきだ。国内産業がいかに空洞化しているか、安倍氏は全国の企業団地とその地域社会を見て回ることだ。ホワイトカラーエグゼクティブ法案は引っ込めたようだが、この国がどのような企業・労働慣習の下で経済発展してきたかを忘れてはならない。竹中氏たちのような新自由主義者たちは有能な企業人を路頭に迷わし、自分たちの手ゴマとして使える「自由な労働力」化したいだけだ。そのような米国流の経済社会がどのような結果をもたらしているか、1%対99%の対立社会に日本もさせたいとでも思っているのだろうか。


 


 米国は産業の再生を行おうにも製造業に従事する質の高い労働力が失われているという。それはエグゼクティブは汗や油にまみれず、金融・投資をキータッチで行うだけで高額所得を手に出来るという誤った情報が米国社会の隅々まで行き渡ったためだ。


 毎日毎日芸人のオフザケと楽屋裏の与太話を延々と放映し続けているテレビがいかに害毒を青年たちの脳に注ぎ込んでいるか、テレビ従事者は反省すべきだ。海猿というドラマが制作されて海上保安庁への就職希望者が増えたように、この国の産業を支える人たちの姿を国民に知らせる努力をすべきではないだろうか。老後の過ごし方を延々と流している各種の番組にもうんざりだ。


 


 3年後に国内投資額を70兆円と、現在の1割増しにすると安倍氏は発言した。しかし具体的な処方箋はおろか、現行の63兆円の国内投資のほとんどが企業設備の維持・管理投資だということを忘れてはいないだろうか。1割程度の増加でどれほどの経済成長に資すると考えているのか、安倍氏は実際にシュミレートしてみたのだろうか。


 新規投資でも労働力合理化の投資というものもある。海外移転により空洞化した国内産業を復活させるためには大胆なUターン投資減税を行うべきだ。中国経済破綻した場合に、中国進出企業がどのようなリスクに見舞われるか、官民にそうした危機管理は出来ているのだろうか、心配せずにはいられない。



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