公的純負担率を引き下げよ。

  欧米諸国と比較して日本の公的負担率はまだまだ低いとの思い込みがある。確かに公的負担率を単純に比較すると日本が39%ほどなのに対して欧米諸国は45%から北欧の75%と押し並べて高率だ。


 しかし公的負担から公的支給を差し引いた公的純負担を比較すると事態は逆転する。日本が17%なのに対して北欧などでも14%ほどと低くなっている。つまり日本は公的負担は低いが公的支出も低く、政府による「富の再配分」が強く行われていないともいえる。


 


 その日本で貧困層を痛める最低課税所得引き下げによる低所得課税と生活保護費引き下げによる最低賃金抑制への波及効果など、低所得者にとってますます暮らし難い社会になりつつある。それに来年四月から消費税増税という貧者の暮らしを直撃する悪増税が用意されている。政府はこれで消費が本当に上向くと思っているのだろうか。


 


 GDPの半分近くは個人消費だ。個人消費を高めるには可処分所得の増加が必要だ。そのためには安定した職場が国内に用意され働く意欲のある者は誰でも働けるようにする必要がある。つまり国内投資が盛んになり新規工場や企業が立地できるような政策が必要だ。


 そのために海外へ移転した企業や工場をUターンさせる政策が必要となり、Uターン減税などの国内回帰促進策こそが必要だ。海外へ移転することがさも「デキル経営者」との安易な烙印をこの国は押し過ぎた。しかしそうした政策は国内産業の空洞化を招き、海外で生産した安い製品が輸入されるデフレの悪循環を招いてしまった。


 


 現在、この国の経済・政治評論家たちは最低課税所得の引き下げや低所得者への支給や支援を切り下げることに狂奔している。それは社会セイフティーネットの喪失につながり、米国流の1%社会を目指しているように見える。


 正社員のサラリーマンをカネさえ払えば簡単にクビに出来る法案を政府は提出しようと企んでいるが、飛んでもないことだ。TPPに参加すれば米国のハゲ鷹たちによりISD条項を盾に日本に米国流の雇用形態を強要させる動きが出ると予測しなければならず、そのためにもTPP参加に反対しなければならない。米国流の社会を日本に輸入させてはならない。


 


 安倍政権は4-6月期に2%インフレを達成しようと日銀に遮二無二に金融緩和へと突き進む政府下請けの総裁を送り込んだが、金融緩和で作り出すインフレは悪性インフレに過ぎない。まずは経済成長を促進する政策が先行すべきだが、安倍政権は景気のエンジンになりうる成長策を講じないうちに、最大の景気エンジンを冷え込ますインフレと増税を行おうとしている。いったい安倍政権は景気を良くしようとしないまま、金融緩和と増税デフレ政策を執るというチグハグな場当たり的な、財務省主導の政策に偏り過ぎている。これではうまく行くはずはないが、暮らしを直撃される貧乏人たちは、それでも安倍政権を支持するのだろうか。



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