なぜソ連は崩壊したのか。

 ゴム紐を限界まで伸ばし続けていると元の長さに戻ろうとする復元力は急激に劣化する。ソ連はロシア周辺部の異民族地域も「ソ連」の領土として強圧的な支配により国家としてのテイをなしていた。しかし伸びきったゴム紐で縛り続けていては、いつの日にか必ず破綻する。民族自決の願望は政府の恣意的な論理や強権的な恐怖による支配を、いつの日にか必ず撥ね退けるものだ。


 中国もソ連と全く同じ道を歩んでいるように見える。解放軍による制圧という強圧的な手段を用いて、周辺異民族を中共政府の版図に組み入れているが、それは伸びきったゴム紐だ。そもそも中国の版図に東北部(旧満州)は入っていなかった。その歴然とした証拠は万里の長城だ。


 


 万里の長城は東北部の異民族が中国を脅かすために、侵入を防ぐために築かれたものだ。それが何処にあるのか、世界地図で確認されると良い。つまり中国の元々の版図は万里の長城以南、ベトナムなどと国境を接す辺りまでだった。それを中共政府は清として漢民族を支配していた満州民族の故郷までも中国領土に組み入れた。


 それのみならず、新疆ウイグル族やチベットまでも支配下に置いてきた。それはソ連が辿った膨張国家と全く同じありようだ。そして今度は日本領の尖閣諸島にまで触手を伸ばそうとしている。


 


 中国が周辺異民族支配を続けるために割かなければならない軍予算は中国国民の民生予算を浸食している。満足な医療制度や年金制度を持たないで、どのようにして膨大な国民を支配し続けるつもりなのだろうか。


 中国民の子弟の何割かは国外へ留学している。彼らは自由な国家の自由な空気を吸っている。そうすると誰に命じられなくても自然と中国国家批判の芽を抱かざるを得ない。中国政府崩壊の時限爆弾は罰ゲームの膨らみ続ける風船の手渡しのように容赦なく破裂する時へと近づいている。


 


 日本政府は純情にも国際的に例のない中国や韓国に膨大な援助をしてきた。それにより彼の国国は少しでも早く経済成長を遂げられたはずだ。しかし、彼の国々は日本に感謝していない。


 国家は個人とは全く異なる。個人なら精神的に成長することはあっても、国家は依って立つ国家戦略を国家破綻までも、あるいは破綻した後までも、放棄することは出来ない。なぜなら国家は継続しても、指導者は常に先人の成功体験を一から学ばなければならないからだ。特に強圧的な「恐怖政治」を断行している国家では指導者も強圧的にならなければ、反対に自らが国民によって粛清されかねないからだ。


 


 中国政府は尖閣諸島にも「核心的利益」だと規定した。しかし、それは中国政府の身勝手な戯言だ。が、それでも中国政府は大真面目に主張せざるを得ない。


 中国政府の幹部から下級官吏まで飽食しているが、国民の多くは貧しいままだ。中国共産党による支配は、しかし毎年千万人を超える離党者が出ているという。既に中共政府は下部組織員の共産党員まで飽食させる余力はなく、利を得られないどころか身に迫る危険を感じ始めた共産党員が逃げ出している。


 


 日本は中共政府の自暴自棄に備えなければならない。国内政治の破綻を回避する最終手段は他国との戦争だ。かつてのソ連になる前の帝政ロシアがそうだった。かつての日本が破れかぶれの米英との無謀な戦争へ突き進んだ理由の一つに軍部の失敗を糊塗するためだったことも挙げられよう。


 何であれ暴走を止めるのは難しい。多くの国民大衆は流れに流されるのにある種の心地よさを感じるからだ。簡単な話、この国では、今はアベノミクスという株高と円安という金融の現象に過ぎない戯言に、この国の景気が良くなるだとか経済成長するだとか、本末転倒の話に明け暮れている。まずは経済成長と国内産業活性化策があって、その後に株高が訪れ景気が高揚していくのなら本物だろう。


 


 実態のない戯言に群がるのが国民大衆だ。拍手喝さいを浴びせて、一瞬の享楽に感情を高揚させる。そうした国々ではマスメディヤが不完全だ。政府に支配されているか、あるいはマスメディヤそのものが未発達の国だ。


 日本は未発達の範疇に入る。政府が支配しようとするまでもなく、言論人が自ら尻尾を振って米国や官僚たちの寵児になろうとしている。冷静な批判を捨て去ったマスメディヤは電気紙芝居そのものだ。


 


 日本から自由とは何か、実証的な社会科学とは何かを中国民に教える息の長い宣伝活動を繰り広げるのも必要だ。中国の武力に備えるのももちろんだが、軍備の増強だけでなく、伸びきってゴム紐を切るお手伝いをすることも、中国民を政府から離反させるのに有効だ。


 戦争は何も武器を持って戦うだけではない。本来ならNHKが国益に沿ったそうした役割を大いに果たさなければならないのだが、我が身が可愛いだけの幹部たちに何を望んでも無駄のようだ。それならせめてもアニメにそうした自由の戦士を登場させるしかないだろう。アニメこそが日本の中国に対する「自由」の教宣活動の最大の武器になるかもしれない。



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