モノの交易に矮小化したTPP議論に終始するマスメディア。

  関税撤廃による自由貿易で国民生活にどのような影響があるか、という議論の花盛りだ。それがいかにTPPの一部でしかないか、この国のマスメディアは決して伝えようとしない。


 むしろ問題は米国内の一部企業による米国流の押し付けにある、という判明している問題点を国民に伝えないでどうするのだろうか。たとえば米国自動車労働組合は「軽基準」の撤廃を狙っている。


 


 TPPが批准されると米国流の社会の仕組みを用いない国は米国に対して排他的な国だ、という実に乱暴な議論が大手を振って罷り通ることになる。安倍氏は「守るべき品目は守る」と大見得を切っているが、これまで安倍氏は米国に対して面と向かって日本の国益を声高に主張したことがあっただろうか。


 むしろ逆で、米国のご要請の通りに、という姿勢に終始してきたではないだろうか。米国政府の要請を実施した首相だけが日本では長期政権を約束される。そのため菅氏や野田氏も易々と米国の御用聞きに堕している官僚たちの軍門に下った。民主党がアッという間に自民党化したのも当然だ。


 


 米国で強権を奮う穀物メジャーが日本の穀物保護の高関税率に目を瞑るとは到底思えない。早くも石破氏は「関税率を現行のままというのは困難かもしれない」と予防線を張っている。


 穀物輸入品に対する高関税額を特殊法人の収入源として国内生産農家を保護するとの名目で官僚たちが好き勝手に離れで大盤振る舞いの宴会に明け暮れてきたが、今後は高関税を維持しても良いが、その差額は穀物メジャーに寄越せ、という手に打って出ないとも限らない。天下り先で国民に高価な穀物や肉類を売りつけてきた官僚たちは心しておくべきだ。


 


 かつて1バレル1ドルだった原油が先進諸国に輸入された途端に1バレル数十ドルに跳ね上がる「関税」に怒った産油国が、国境を跨ぐだけで先進諸国が儲けるのはケシカラン儲けを産油国のものにする、との理屈で値上げし、先進諸国で原油が高騰したオイルショックの最初の理由だった。そのことを忘れているとしたら官僚たちも能天気だというしかない。


 


 マスメディアも無傷では済まないだろう。あらゆる情報コンテンツを世界展開したい米国の情報産業が安価な日本の電波料金に黙っていないだろう。本気で米国の投機家が日本のテレビ局を買い取りに出るか、デジタル化で空いた電波を米国の企業に年間数億円という世界基準の数十分の一の原稿値で寄越せと日本政府を提訴するかもしれない。その前に新聞社に適用されている「再販制度」にイチャモンを付けて来るかもしれない。なにしろ米国流でないものはすべて未開で野蛮な制度で我慢ならないのが米国の我儘な投機家たちだ。彼らに強大な権限を与えるのがTPPの主な産物だ。


 


 そうした危機感もなく、TPP参加を歓迎し安倍氏の世論調査高支持率を捏造しまくるマスメディアの御目出度さだ。


 全米ライフル協会も黙っていないかも知れない。北朝鮮の工作員や外国人登録して日本国内に居座っている中国人たちが集団で蜂起しないという保証はどこにもないから、まずは自衛隊OBや警察OBから銃による武装して国家と国民を守れと策動するかも知れない。そうすると何万丁という銃が日本国内で売れる。


 この国のマスメディアは米国の政治家がロビストと呼ばれる連中とツルんで政治を動かすという極めて「買収可能」な連中かを知らない。


 


 オバマ氏を見ていては何も解らない。オバマ氏に誰がカネを出しているかを見なければならない。その連中が米国の政治を動かしている。その路線にTPPがあり、日本の政治と統治を破壊する時限爆弾を仕掛けようとしている危機感を持たなければならない。農業か工業製品か、といった矮小的な議論でお茶を濁そうとするこの国のマスメディアはTPPの本質隠しに手を貸す米国のロビスト並みの連中だ。日本国民はテレビの中から呼び掛ける人の良さそうなMCや庶民の味方面をしているコメンテータたちの皮相な頷きに騙されてはならない。



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