「維新の会」の本質が明らかになった。
この夏に予定されている参議院選挙で維新の会が民主党に協力しないという。野党が勝手に候補者を擁立すれば自公与党を利するだけなのは明らかだが、解り切ったことに維新の会は突き進むようだ。
そもそも維新の会は民主党政権を潰すために旗揚げしたようなところがあった。大阪地域政党として出発したが、すぐに東京の石原氏と共闘し自民党亜流のようなたちあがれと合併した。つまり維新の会は出発の時点から自公補完勢力で、その目的は民主党潰しだったということだ。
民主党の中にも意見の近い人はいる、と橋下氏はほざいているようだが、風頼りの吹けば飛ぶような政党が大きな顔をし過ぎではないだろうか。橋下氏の四肢滅裂な喧嘩戦術で風が吹き止まないように懸命に努力しているが、蜃気楼がいつまでも白夜で空しい虚を映していることはない。
風が止めば凧は落ちる。橋下氏の人気に陰りが出れば維新の会は瓦解する。道州制や大阪都構想でこの国の一体何が変わるというのだろうか。所詮は行政組織の改編に過ぎない。煎じ詰めれば国と地方との権力闘争だ。国民生活と遊離した話に過ぎない。
民主党は一体いつまでモタモタしているのだろうか。キッチリと総括すれば2009年の民主党を裏切った勢力と、2009マニフェストを掲げる勢力とに別れるはずだ。
多くの国民が自公政権に「ノー」を突き付けて選択したのは2009民主党だ。決して菅氏や野田氏の民主党ではなかったはずだ。だから現在の民主党は国民的な支持を失って壊滅的な敗北をしたのだ。
立て直すには原点回帰しかない。道に迷った時は闇雲に歩き回るのではなく、迷った所まで戻って考え直すのが最善の対処方法だ。
自公とその補完勢力だらけとなってしまった現在の政界の責任は民主党にある。責任を重く受け止めて、仲間と袂を別って再出発する決意を国民に示さない限り、2009民主党を支持した有権者は戻って来ないだろう。腐ったリンゴは林檎箱から取り除かなければならない。