電池や電気自動車の開発ではなく、水素自動車の開発と周辺整備を急ぐべきだ。
電気を蓄えることはかなり大きな困難を伴う。電気を蓄えたり取り出したりすると、エネルギー効率が極端に悪くなるし、電池そのもののコンパクト化も技術的に困難だ。トヨタのプリウスにしても電池はパソコンに使っている5Vリチウムイオン電池を莫大な数集めて使っている。つまりその程度の技術開発でハイブリットカーを動かしている。
電気自動車が未来の乗り物というのは嘘だ。科学者や技術者の何割が信じているだろうか。電気自動車にすべてのガソリン自動車を置き換えたら、どれほどの発電施設が必要となるか。送電線も現在のもので対応できるか考えても分かることだ。
しかも電気を発電するそのもののエネルギー効率は50㌫前後とかなり良いが、送電し電池に蓄える段階でどれほどのロスがあるか、そして電池からモーターを動かす際にどれほどのロスがあるかを乗じてみれば現行のガソリン自動車の18㌫前後のエネルギー効率と大して変わらなくなる。そして致命的な欠陥としてバッテリーの再使用などの処理がかなり厄介な工程を経ることになる。そうした諸々のことを考えると電気自動車が未来の乗り物だというのは眉唾物だというしかない。
やはり水素自動車が最善ではないだろうか。太陽光発電を大々的に推進して、昼間の余剰の電気で水を電気分解すれば良い。なにも非効率な電池に蓄える必要はない。水を電気分解すれば良いことだ。
水素は危険だ、とする思い込みが激しいようだが、扱いはガソリンよりも安全だ。水素そのものは爆発などしない。ただ普通の鉄なら水素原子がすり抜けて抜けてしまう。しかし日本には七宝の伝統的技術がある。水素タンクの中を七宝焼きでコーティングすれば水素が抜けることも還元作用で鉄が劣化することもない。しかも日本には水素で駆動するエンジンが存在する。マツダのロータリーエンジンだ。
昨今、特殊繊維に吸着させて水素を驚異的に蓄える技術が開発されたようだ。それを使えば一回の満タンで普通のガソリン自動車と遜色なく走るという。
特殊スタンドを考える必要はない。タンクを二個積んで、一個がなくなればタンクすたんどに寄って積み替える方式にすれば良い。素人が水素を扱う危険性を排除できるし、カセットコンロの要領でアタッチメントに嵌め込めば良いようにすることだ。もちろんメタンハイドレードを水素と酸素と炭素に分解して使っても良いだろう。
政府は水素による街づくりを真剣に考えるべきだ。いつまでも電力利権の顔色を窺って「電気自動車が未来の乗り物だ」と方向違いに旗を振らないことだ。バッテリー業界にも目配せする必要はない。未来を考えるならレアメタルバカ食いの電池に頼ることは出来ないだろう。何処にでもある水を使えば良い。太陽光と水素こそが未来のエネルギーだ。