巨象を倒す蟻の群れになろう。
未だに人類滅亡の炎に取り憑かれている人たちがいる。世界の各地で再三再四事故を起こして、人類はいかに危険なものか十分に学習したはずにも拘らず、どうしても原子力の呪縛から逃れられない人たちがいる。
放射性廃棄物の最終処分場もないままに54基もの原発をこの狭い国土に建設し、膨大な使用済み燃料棒や高濃度放射性廃棄物を青森県六ヶ所村のみならず全国の原子施設に累々と貯蔵され、それらもほぼ飽和状態にある。
それでも原子の炎に魅了された人たちは再び燈して処分する術もない放射性廃棄物を延々と吐き続けるつもりなのだ。地震や津波の被害がなくても、原子力発電は既に行き詰っている。
そうした事実を隠蔽したまま、安全基準や活断層や津波堤防建設などに問題をすり替え、再稼動に血道を上げている人たちの倫理観は何処に存在しているのだろうか。原子力が巨大な存在であるように、原子力の周囲で形成された既得権益も倫理観を麻痺されるに十分なほど巨大なのだろう。
既に日本国民の八割強が原子力発電を否定している。そうした事実を「現実的でない」とか「電気料金の高騰を招く」だとか「CO2により地球が温暖化する」だとか、様々な屁理屈を並べ立てて掻き消そうとしている。しかし国民の多くはその欺瞞性に反吐が出る思いで向き合っている。なにしろ屁理屈を垂れ流しているのはすべての全国紙やすべてのテレビ局を支配するこの国のマスメディアという巨象だ。かつては大本営発表をタレ流して国民を悲惨な戦争へ導いた実績を持つ。その巨大な権力が根元から腐っていると、ネット市民は気付いている。そして我侭に振舞う巨象に立ち向かう蟻として個々人が小さな声を発している。
原発がこの国のマスメディアと同じように巨象だとしたら、個々の発電量の極めて小さな小規模水力や太陽光や地熱などは蟻だろう。しかし、ついに巨象を虚像に排して蟻が個々人の国民を助ける日が必ず来る。この国のマスメディアの欺瞞性も、すべての国民が知るときが必ず来る。その日まで我らは巨象に立ち向かう一匹の蟻となろう。