マスメディアが「争点隠し」や「対立軸隠し」に動き出したようだ。

 テレビの報道番組(8時からの「日テレ」)で突如として今度の選挙に有権者の関心は(第一位「景気回復策50.6㌫」で第二位は「社会保障改革47.7㌫」NNN世論調査)と掲げて、争点は景気回復策と社会改革策だとして「脱原発」はコンマ以下でしかないと紹介した。


 またしても利用するのは世論調査だ。国民の関心がそうした方向だと検証や確認の出来ない既成事実(?)を突きつけて、政治談議から「消費増税」や「TPP参加」や「脱原発」を排除する。それにより国民が気付き始めたマスメディアの「どの政党を選んでも官僚政治の継続」広報活動が破綻してきたのを隠蔽するつもりのようだ。


 


 景気対策、というのならまたしても各政党によって意見はまちまちになり第三極が二分化していた政治勢力がバラケてしまいかねない。社会保障改革、という対立軸を打ち立てれば「消費増税」を是認させるのがより容易になるだろう。しかも各政党が時間軸を何年と置いて計算するのか、年金基金会計に一体いくら残っているのか官僚しか知らない数字を勝手に想像して政治家が議論しても始まらない。総額どの社会保障にどれほどの予算が必要なのか、それが10年後にいくらとなる仮定の予測変数にどれを用いたのか、という前提まで一致させなければ具体的な議論は出来ない。そうした曖昧模糊とした根拠なき「百年安心年金」などという荒唐無稽なスローガンを各政党が勝手に発信し始めたら収拾がつかなくなるのは火を見るよりも明らかだ。NHKをはじめとするマスメディアはそうした各政党の混乱と選挙に向けて国民が選択する対立軸を隠すのが目的としか思えない「景気」や「社会保障」といった大きなお題目を突然登場させたのだろう。


 


 もちろん景気も社会保障も大切な政策課題だ。自民党・公明党も民主党も政権にある間、具体的な処方箋を示さずデフレ経済を20年近く放置してきた。その責任は余りに重いし、通貨当局の超円高を放置していた無能・無策ぶりも歴然としている。


 しかし景気や社会保障と大きくリンクしているのが「消費増税」であり「TPP」であり「脱原発」だという認識を持たなければならない。古今東西、増税により国家財政を立て直した国はない。むしろ減税による個人消費刺激策と投資減税などによる景気対策により経済成長を促進し国民経済のバイを大きくして税収増を図る方が財政再建に大きく資するのは経験則で分かっている。そうした議論を閉ざして現行経済を静態的に捉えて「増税」しなければ国家財政は持たないなどと国民に刷り込んできたのがマスメディアであった。


 


 民・自・公に「日本維新の会」を加えた勢力が「消費増税」に賛成であり、「TPP参加」に意欲的であり「脱原発」に消極的な第一極を形成している、と多くの国民が気付き始めて「日本維新の会」が無党派層の受け皿になりえなくなって支持率が失墜している。その事態の先には「国民の生活が第一」を中心とする第二極が急浮上してくると予測される。


 NNNの世論調査なるものの基礎データを見ようとネットを調べたが従来の世論調査と同じで根拠となる生データは何処にも発見できなかった。具体的にどのような手法で「世論調査」したのか、選挙告示直前に対立軸隠しの「世論調査」報道を公然とNNNがおこなったとすると、いまだに反小沢氏的な政治勢力をマスメディアは応援しているとしか思えない。


 


 曖昧模糊とした制限された時間内で議論出来ない「景気」や「社会保障」を選挙の争点化するのは「消費増税」や「TPP参加」や「脱原発」隠しでしかない。マスメディアによる誘導に乗せられないように用心しなければならない。



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