尖閣に関して半歩たりも譲るな。
中国の体制派文学者がノーベル文学賞を受賞したが、彼は尖閣問題に関して「棚上げしたらどうか」と提案しているようだ。それもおそらく政府の要請に従って発言しているのだろうが、棚上げすることは火種を残すことに他ならない。最も忌避すべき解決方法でしかないことを日本政府は肝に銘じておくべきだ。
日本のマスメディアにも「棚上げ論」がボチボチ出始めている。経済最優先のために尖閣を棚上げしろ、というのは中国との取引がその会社の死命を制する会社経営者の目先の利益を求める愚か者の発言でしかない。
既に日中は切っても切れない経済関係にある、などと発言する評論家もいる。しかし、それならこれから中国で起きるバブル大崩壊に対して、日本もお付き合いしろということなのだろうか。中国に企業を移転して日本国民に良いことが何かあっただろうか。
バカな評論家は「日本の日常消費財の多くは中国製だ」と指摘するが、安物の中国製が日本国内企業を何社倒産させたかを考えたことがあるだろうか。ユニクロの安物衣料品が日本の地場縫製工場を何社倒産させたか。日本の優秀にして有能な「縫い子」の仕事をどれほど奪い、素晴らしい縫製製品の製造力をどれほど毀損したか。日本が日本発のファッションを世界へ発信するにはデザイナーの意図を的確に縫い上げて製品を仕上げる「縫い子」の存在抜きには成り立たない。
中国に工場を移転しない経営者は無能のような記事を毎度のように連載していた経済紙は日本にとってどれほどの益をもたらしたのか。中国と深く関係を結ぶことによって尖閣を絡め取られるのなら中国と深い関係を持ったのが間違いだったと、なぜ素直に反省しないのだろうか。
それは韓国との関係においても同じことだ。茶道に「淡交会」というのがある。真の付き合いとは淡い付き合いだという戒めだ。中・韓とは「淡交会」で行くべきだ。余り深入りしないで、余り情をかけないで、あくまでもビジネスライクで交渉してキッチリと対等な契約を結んでこそ初めて進出すべきだ。現地法人の資本割合を日本人に5割り未満しか持たせない、というのは飛んでもない不平等だとなぜ日本政府はネジ込んでこなかったのだろうか。
中国進出企業の利益を日本へ送金するのに様々な規制を掛けているのに対しても、日本政府はネジ込むべきだ。そうした有り様は決して対等とはいえないし、そんな不平等な中国の態度になぜ日本の企業経営者は怒らないのだろうか。そして経団連会長は「尖閣で揉めるな」と日本政府に注文をつける。揉まして来たのは中国政府で、その意図は尖閣に一定の中国権益確保にある。中国ノーベル賞作家のいう「一時棚上げ」や橋下「日本維新の会」会長のいう「尖閣共同開発」などの妄言に決して乗ってはならない。
領土問題に曖昧決着はありえない。領土か否かの明確な線引き以外にはないことを肝に銘じて厳しく対立することだ。いかなる譲歩案にも乗ってはならない。中・韓とも経済的に困窮して政府は国民の不満を逸らすのに懸命なのだと知った上で、対立したままの状態を堅持していれば良い。
出来るだけ速やかに日本企業は中・韓から撤退することをお勧めするし、中・韓に投資している投資家たちは速やかに資金を引き上げるように助言する。相手にすべき市場は何も中・韓だけではない。世界は広いし日本が戦略的に提携すべき相手は中・韓ではない。