「日中が相互依存」と表明した日本の蔵相の発言が真意なら危険だ。
いつから日中が相互依存になっているというのだろうか。日中は中国の日本に対する資金力と技術力の依存関係から出発した。それ以後も中国は13億人もの人口を最大の武器にして欧米諸国に「中国市場は魅力的だろう、欲しかったら投資せよ」と恫喝と脅しを行ってきた。
それに乗って投資と企業進出を行ってきた欧米と日本は中国の独りよがりで独善的な振る舞いに振り回されてきた。世界にとって中国はそれほど魅力ある投資先だっただろうか、と検証してみる必要がある。そして世界にとって中国は必要不可欠な国なのか、バランスシートを作ってみる必要がある。
中国は最大の投資先のアフリカで各国から顰蹙を買っている。一々例を挙げるのも憚れるほど、中国の目先の利益をあからさまに追い求める姿勢は現地で反発を招いている。
中国は近隣諸国に対しても横柄で独善的な振る舞いを繰り返している。そのため、中国と国境を接している諸国と1948年の中共政府成立以後でも戦争をしていない国は北朝鮮だけではないかと思われるほど近隣諸国といざこざを起こしてきた。迷惑千万な国に間違いない。
中国の13億人の市場は確かに魅力的だろう。しかし法治によらない人治の国とマトモに付き合うのは困難だ。事実、中国に進出した企業家が飛んだ目にあって撤退した事例も枚挙に暇がないし、たとえ成功したにせよ利益を中国国内から持ち出すのにも様々な規制をかけてくる。
何か事あると国民が一斉に同一方向に集団ヒステリーのように暴走するのも困ったものだ。中国には世論は存在せず、国のプロパガンダを国民が鵜呑みにしているのか、あるいはプロパガンダと承知の上で自分に不利益がない限り政府の尻馬に乗って騒いでいるだけなのかもしれないが。
いずれにせよ、ありもしない尖閣諸島問題に事寄せて日本で開催されたIMF総会を欠席するとは中国当局者の行動原理は幼児性そのものだ。まったく付き合いきれない連中だというしかない。日中が相互依存関係だと発言した日本の財務相は社交辞令とはいえ余りに軽率だ。謙譲の美徳も「謙譲」とは何かを知る相手にしか通用しないことを知らなければならない。日本は中国との関係を徐々に希薄にして、速やかに撤退すべきだ。
中国経済は危ない。中国政府も危ない。中国経済のハードランディングは既に始まっている。中国政府の発表する統計数字の誤魔化しも限界に達し、経済成長の数字に取り込まれた高層マンションの空室率は空前絶後だ。中国政府要人たちは陸続と中国から脱出している。中国の崩壊は目前だ。