「狂気の沙汰」の中国政府。

  一連の中国全土とでもいうべき尖閣暴動を世界に恥じるでもなく、「日本に経済制裁を加えることもありうる」と見当違いな主張を中国政府報道官が記者会見で述べたようだ。自国の治安維持が機能不全になっている事態を遺憾とするでもなく、世界に向かって中国は暴動国家ではないと釈明するでもない。


 それは狂気の沙汰というしかない。中国経済は張子の虎だということは自明のことだ。日系企業のすべての部品工場が中国国内に移転しているわけではないし、精密製品の工場がすべて中国に進出しているわけでもない。


 中国のGDPに占める貿易割合が32㌫に達している現実を見れば理解できるはずだ。日本が米国から「輸出依存体質を改めるべきで、そのためには円高誘導を容認すべきだ」と要求を突きつけられ、急激な円高となるきっかけとなったプラザ合意時代の日本のGDPに占める貿易割合は20㌫に過ぎなかった。それでも当時240円だったものがわずかの期間で80円台に突入させられたのだ。しかし日本の輸出産業界は一部倒産の嵐に見舞われたものの、円高に耐えられる体質に構造転換を果たした。


 


 中国は元安政策を採り続けている。現在の元は実勢レートの半分程度だといわれている。同じことは韓国のウォンについてもいえることだ。そうした為替管理によって手に入れている価格競争力だということを中国や韓国の貿易輸出力に関しては割り引いて考えなければならない。同時に、中国も韓国も国内産業は日本から輸入する部品によって成り立っている現実を考慮しなければならない。韓国のサムソンにしても花形製品の薄型テレビでも価格の36㌫ほどは日本から輸入した部品代だといわれている。日本からの輸入によって中国や韓国の花形産業が成り立っている現実を考慮してものを言うべきだ。


 


 中国が日本からの輸入を止める「経済制裁に踏み切るぞ」と日本を脅すのなら、「どうぞ」と返答するしかない。もはや中国は日本にとって魅力ある市場でないことはバレバレになった。日系企業が中国に進出して利益を上げても、様々な理由をつけて利益を日本へ持ち帰ることは出来ない仕組みになっている。第一「日系企業」と表現する理由も中国で企業展開するには資本割合の51㌫を中国人に渡さなければならない決まりがあるからだ。こんな国に企業進出してどんな魅力があるというのだろうか。日本の無責任なマスメディアも中・韓への企業進出を煽らないことだ。


 今回の中国の騒動で中国へ進出した日系企業の蒙った損失は甚大だが、中国政府はその責任は日本のあるという。外交も内政も治安も、すべてを糞味噌に混ぜてしまう思考構造には一種幼児性とでもいうべき甘え体質を感じる。そんな幼稚な国家を相手にするより、東南アジアにはもっと自制と矜持を持つ国民によって成り立っている国家がある。そちらへ進出するほうが遥かに将来的な有効的な資本投資といえるだろう。


 


 日本に経済制裁する、と抜かしたバカな報道官の言やよし。ただちに中国は日本に経済制裁を与えて日本との貿易を停止することだ。ただ、それが出来る相談か、まずはよくよく産業界や軍需産業に諮ってみることだ。しかし一度口から出した言葉は呑み込めない、報道官が発した言葉を取り消したり訂正するには職を辞すしかない。それだけの覚悟があって「日本に経済制裁を加える」と言ったのなら、その通りに実行するしかないだろう。


 中国国内で日系企業が雇用している人数がどれほどあるのか、中共政府は把握しているのだろうか。日系企業がどれほど地域貢献してきたのか、中共政府は把握しているのだろうか。そうしたことのすべてを把握した上で、冷静にバランスシートを弾いて「日本に経済制裁を加える」と発言したとして、自由貿易機構に加盟している国家が出来る相談か、機構本部に打診した上での話しなのだろうか。自由貿易の果実を一番多く獲得しているのは他ならぬ中国だ。少しは自由貿易国家の先輩たる日本を尊敬してはどうだろうか。のぼせ上がるのもいい加減にしないと、中共政府は政権基盤そのものまでも失う事態に陥りかねない。狂気の沙汰を演じている「わが振り」を、少しは鏡に映す自制を身につけることだ。



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