誤った歴史教育は諸刃の刃だ。
義和団の乱を「忠臣愛国」と教えていては、中国のいる世界各国の公使や大使は常に身の危険を感じていなければならないだろう。義和団の乱とは清末期に欧米諸国の侵略にあっていた中国民が各国の大使館や公使館を焼き討ちにした事件だ。その鎮圧を口実にして欧米諸国は軍を清国政府建物まで進め、中国経営を確固たるものにしていった。
その義和団の乱を忠臣愛国ゆえの行為だと教えれば、現代青年がその真似をしないとも限らない。中共政府は教えるに事欠いて国際信義に反する単なる暴動反乱を愛国行動だと教えているのだ。
中国の反日教育も随分といい加減な独善的行為だが、中共政府の教える愛国心とは真に国を愛する行為とは程遠い代物だ。世界で第二位の経済大国に相応しい国民にならなければどの国へ行っても恥ずかしい思いをしなければならないだろう。
日本国民ほど自虐的にならなくても良いが、果たして「中国と中国民は世界に迷惑をかけていないだろうか」と常に自省しなければならない。巨大な経済力を駆使して、札束で相手の頬を張るような商売をしていては決して相手から敬愛の念を抱かれないだろう。
強大な軍事力さえあれば何をやっても良い、というのならならず者の米国と同じことになる。いや既に中国は強大な軍事力で周辺少数民族国家を伐り従えている。中国も米国と同じならず者国家というしかない。
中共政府と日本政府とはついに相容れないだろう。それは根本的に価値観が異なるからだ。かつて文化大革命で露呈したように、中共政府は中国人が発明し日本に渡ってきて長く武士の学問とされた「儒教」は政敵思想として葬られた。多くの書物が焼かれ、儒教学者たちは徹底して弾圧された。中国民から儒教の教えは消え去っている。中国の生んだ偉大な思想家・孔子を中国民は一顧だにしない。その代わり皮相な「反日・愛国」教育を骨の髄まで叩き込まれている。その成果が日本国大使の乗る車を止めて日の丸の小旗をボディーから捥ぎ取る愚挙をなさしめている。実に輝かしい中国が世界に恥ずべき成果だ。