「税と社会保障の一体改革」はどうなったのか。政局に明け暮れる無責任な政治家たちよ。

 政治家とは息をするように嘘をつく連中なのだろうか。「税と社会保障の一体改革」と称して社会保障制度維持のために消費増税が必要だと民・自・公の三党合意により、圧倒的多数の国会議員によって「消費増税」は成立した。


 しかし、それを原資として改革するといっていた「社会保障制度」は国民会議を興して協議する、と先送りしたままだ。これほど国民を馬鹿にした話があるだろうか。そして、そうした約束は失念したかのように「政局ごっこ」を演じようとしている。


 


 三党合意により「消費増税」を決めた民・自・公の政治家諸氏には「社会保障制度」とりわけ年金制度を改革する義務がある。それも先送りではなく、この国会において決めなければならない。それが「消費増税」を強行するに当たって国民に付け焼刃のように約束したことではなかっただろうか。


 しかし既に自民党は「国土強靭化」と称する新たな公共事業のメニューを示し、民主党もなすべき政策課題を示して「消費増税」を摘み食いしようとしている。これほど不誠実な政治家たちを私は知らない。


 


 民主党は「最低保障年金」を掲げていた。一律7万円を保障しようとするものだったが、7万円では暮らせない。最低保障年金は一人当たり月額10万円としてすべての65歳以上の国民に支給すべきだ。自民党の谷垣氏はまるで餓鬼のように「最低保障年金」は社会主義社会のようだ、と述べたことがあったが、社会保障制度とはまさしく社会主義の産物だ。


 そもそも資本主義社会は弱肉強食社会であって、社会保障制度などというものはなかった。そうした悲惨な1800年代の産業革命期の英国社会を観察して書かれたのが「資本論」だ。著述者カーロ・マルクスの死後1860年代に出版されたその本をバイブルとして社会主義や共産主義が大きな社会運動となっていった。


 


 資本主義社会も社会保障制度を設けなければ大きな富と貧困の乖離により社会的不安定が増大し社会統治そのものが揺るぎかねない、ということから、徐々に社会保障制度が各国で整備されていったのだ。


 つまり社会保障制度は市場原理主義とはまったく異なる思想原理に基づく。谷垣氏がそうした経済史の基本的事柄を知らないわけはないだろうが、彼がどの勢力の代表者か図らずも自ら暴露したことになる。社会保障とは富の再配分の基本的な装置であって、国民平等を経済面から下支えする制度なのだという基本的認識を欠いていることを満天下に示した。


 


 社会保障のうち、年金制度が大きな矛盾を孕んでいることは国民の多くが認識しているところだ。生活保護費が生きるための経済的な最低水準を示しているなら、最低賃金しか手にしていない何県かの国民は最低水準の生活すらできないことを政府は認めなければならない。そして、国民年金で暮らす人たちも最低水準の暮らしすら維持できない人たちだとこの国は認定していることになる。それでいて放置しているとは何事だろうか。


 すべての政治たちは真面目に政治をしているのだろうか。一体何処の国民の顔を見て、永田町で喧々諤々の議論をしているのだろうか。最も罪深いのは民主党の国会議員たちだ。主権者国民は選挙のときしか、選挙を通じてしか政治にかかわれない。その神聖にして唯一の主権者たる権利を行使する場において「言ったことをやらない」で「言わなかったことに血道をあげ」たのだ。これほど民主主義社会における明快な裏切行為はないだろう。信義則に悖る、という程度のものではない。人としてのあり方を問わなければならないほどの深刻な裏切りであることを、民主党の国会議員たちは認識しているのだろうか。諸君はバッジを付けている資格を既に全員喪失している、という現状認識すらないのだろうか。


 


 子育てを終え、静かな老後の暮らしを送る老人たちに高額な年金は必要ない。優雅な暮らしを死ぬまで続けるために必要な額を公的年金で賄おうとする心根が既に腐っている。


 極端な話をすれば公的年金は一律支給であって構わない。優雅な暮らしを送りたい人たちは民間保険会社の「個人年金保険」に加入すれば良い。


 一人月額10万円ほどの最低年金制度を創って、すべてのゴチャゴチャした誤魔化しのような年金制度はスッキリとするだろうし、現行の年金会計でも余剰が生じるだろう。その余剰は子育て世帯へ「子供手当」として直接支給する原資の一部に充当することだ。


 


 格差是正に働かない税制や社会保障制度は国民の求める政治ではなく、特定の既得権益の擁護に過ぎない。「消費増税」による軽減税率の導入を自民党は主張しているようだが、権限税率適用を求める各種団体、それこそ雲霞のごとく多数の団体の利権獲得合戦が繰り広げられ、そりこそ官僚たちの甘い蜜の源泉となるだろう。つまり「消費増税」は二重の意味でやってはならない税なのだ。主権者たる国民は次の総選挙で「消費増税」廃止を公約とする政党を支持すべきだ。


 財務官僚のレクチャーに易々と乗せられる程度のお粗末な政治家は必要ない。そして経済成長を赤字財政再建の原動力とする政治家こそを選出すべきだ。古今東西、増税により国家財政を再建した国はない。すべては殖産興業と経済成長により財政再建してきた。近くはこの国の幕末期に財政再建を果たした長州藩や薩摩藩の手法を歴史に学ぶべきだ。



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