交通事故の加害者に厳罰を。
交通事故だから数人の尊い命を奪っても「業務上過失致死」で数年の服役で了とされる、とはあまりに理不尽ではないだろうか。過日の亀岡無免許運転の車が通学児童の列に突っ込み付き添いの母親とその胎児もろとも死亡させた自動車事故の裁判が始まった。
当初から最高刑懲役20年の危険運転致死傷罪は適用されないとされてきた。危険運転というには運転に不慣れで技能が未熟でなければ認定されないが、事故を起こした少年は度重なる無免許運転で運転には習熟していたという。だから危険運転致死傷罪は適用されないという。どこか変ではないだろうか。
その他にも、飲酒運転の死亡事故でも危険運転致死傷罪を問うにはいくつものハードルがあるという。なかなか危険運転過失致傷罪の適用にはならないようだ。それなら子の命を奪われた親はその運転者が刑期を終えて出所するのを狙って轢き殺したくなるのではないだろうか。
そうした復讐のような行為は良くないと批判するのは容易い。しかし子や愛する者の命を奪われた者の哀しみは報復でもしなければ癒されるものではないだろう。
刑罰は報復主義ではなく社会一般に対する警鐘と教育刑主義だとするのが現行日本の在り方だ。しかし、教育して社会復帰して欲しい人物と、最早消えて欲しいと願う人物がいるのもまた事実だ。18歳にもなれば僅か4、5時間程度の睡眠しか取らずに一晩中走っていればどうなるか、予見できるはずだ。つまり未必の故意が成立するのではないかと思う。
殺された者たちの人権はどうなるのか。殺され損で、生きて人を引き殺した者が数年の服役でリセットされて社会で暮らせる理不尽さに怒りがこみ上げる。彼には妊婦はもちろん、児童達の命を奪ういかなる権利もない。死んでお詫びすべきだと考えざるを得ない。交通事故の刑罰を重くするのにいかなる反対の口実があるというのだろうか。