マスメディア頼りの野田政権。

  かつて民主党を支持した国民の熱気は去り、「三党合意」の衣の下から自・公も本来の野党の鎧が見えている野田政権はマスメディアの「ヨイショ」記事が政権運営の頼みの綱だ。


 マスメディアは野田政権末期の症状に対して「税と社会保障理一体改革」を進めれば離党者が次々と出るジレンマに陥っている、と書くが、それは正しくない。


 


 元々「税と社会保障の一体改革」などというスローガンは野田政権が「消費増税」を進めるために発明した方便に過ぎない。2009マニフェストで謳っていたわけではなく、去年9月の代表選の際に野田氏が民主党国会議員の前で演説した内容にもなかった話だ。突如として発狂したかのように「消費増税」を叫び出し、それに批判が集まると批判をかわすために「毎年1兆円も増加する社会保障の安定的財源として必要だ」と言い訳し、「税と社会保障の一体改革」なる文言を発明したのだ。


 


 だから増税だけが先行し、社会保障議論は後ほどゆっくり議論し、一年後に結論を得ようということになった。しかも民主党が2009マニフェストに掲げた「最低保障年金」を反故にしても構わない、と野田党代表が国民との約束よりも「財務省の言う国家財政危機の回避」を優先させるという椿事まで演じている。マニフェストを実行する努力すら放棄するのなら、直ちに解散して国民に信を問うべきが筋ではないだろうか。


 


 しかし野田政権の迷走ぶりをマスメディアは「国家財政破綻の危機を回避する唯一の方法」として正当化し、懸命に支持している。しかし「消費増税」したところで行・財政改革がない限り「焼け石に水」だと国民は知っている。小学生低学年の算数の知識すらない余程バカな国民でない限り、52-13.5>0という数式は直ちに理解出来る。つまり新規発行する赤字国債52兆円に対して、消費税を10%にして税収増が見込まれる13.5兆円を以てしても依然として赤字国債発行の財政体質に変化がないことを国民は承知している。


 


 つまりリーマンショックと称してそれまで80兆円ほどの財政規模を90兆円規模に水増ししたものに、民主党政権交代時のドサクサに紛れて10兆円近くも「ばら撒き分」として上乗せしてマスメディアに批判させた。それが財務省のやり方だ。あえて歳出削減はしないで、次々と既得権でもあるかのように歳出増加へのアクセルを踏み続けている。それでいてマスメディアに「国家財政破綻の危機は迫っている」と宣伝させているのだ。


 


 財務官僚の走狗に堕した「三党合意」の面々たちは国民の批判から逃げるように現在の野合翼賛政治体制で「消費増税」を決めようとしている。それをマスメディアは「決められる政治」だとして快挙であるかのように拍手喝采を浴びせている。大阪市長まで「快挙だ」と言わしめ、民主主義掟破りの野田政権を国民の批判から守ろうとしている。


 


 増税策を決する前に国民に信を問うのは民主主義の常道だ。野合翼賛体制で決めてから信を問うというのは民主主義の破壊だ。与野党の政党による「議会政治の仕組み」は野田氏とその下に集まったバカな自・公政治家たちによって蹂躙された。国民の負託を得ていない政治課題を強引に議決する愚挙をマスメディアは警鐘を鳴らすどころか、応援団を形成してマスメディアが一体となって支援している。少なくともこの国のテレビ局を傘下に擁するすべての大手マスメディアはこぞって「三党」野合翼賛政治を称賛している。その図は戦前の大政翼賛会と、それを支援し国民を戦争へと導いたマスメディアと少しも変わらない。


 


 民主主義のお目付け役たるマスメディアが民主主義破壊のお先棒を担ぐとは何事だろうか。たとえ「消費増税」に一分の大義があろうと、絶対にやってはならない「三党野合翼賛政治」ではないだろうか。そのことを批判しなくて、マスメディアに存在意義はあるのだろうか。


 しかし野田政権は欺瞞に満ちたマスメディアの応援を得て、瓦解への坂道を転がり落ちている。国民の信を失った政党としてその姿が自然なのだが、あくまでもマスメディアは「造反が後を絶たない」と野田政権が正しいとしての報道を繰り返す。2009マニフェストによって政権を獲得した民主党に造反したのは菅氏であり野田氏だと、なぜ公正な報道をしないのだろうか。すでに民主党は政党としての体をなしていないし、自・公も民主主義破壊に手を貸した共犯者たちだ。



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