モノ造りを中心に据えた「貿易立国」に政府は全力を尽くせ。

  資源に恵まれない山がちな37万㎢の国土で1億2千万人の国民を養うには貿易立国を国是とするしかない。そのことは明治維新以後、日本が一貫して撮り続けている方針だ。その根幹を揺るがしているのが「円高」であり、海外の人件費の安さに目をつけた「企業海外移転」だ。さらには国内景気を失速させかねない「消費増税」という愚策に邁進している政府に猛省を求める。


 


 韓国や中国のデジタル家電の追い上げが激しいのは当然だ。日本が製造技術を教え、韓国や中国が日本の技術者に目をつけて引き抜きや定年退職者を高給で迎え、技術移転が済むやクビにするというあからさまな手法を用いてデジタル家電の製造に乗り出した。しかも国営企業かと思えるほどの優遇策を施し、国内で高く販売してでも低価格で輸出して輸出力をつけて海外諸国の企業と対抗している。もちろん元安やウォン安を政府は誘導し、世界から「通貨切り上げと国際為替相場に委ねるべき」との顰蹙まで受けてまで輸出企業優遇策に尽力している。


 


 それに対して日本政府と通貨当局は一体何をやっているのだろうか。TPPやFTAなどといったチマチマとした数%の関税率を撤廃することに血道を上げて30%近い実質関税率に匹敵する「超円高」を放置している。思い出したように介入するに際しても為替相場への「ドル買い」で対抗するためヘッジファンドの利益操作の餌食となる愚策を繰り返すのみだ。通貨当局は米国ヘッジファンドと組んで日本の国富を分け与えているのではないかと勘ぐらざるを得ないほどだ。


 


 技術的には既に周回遅れの古色蒼然とした「原発」を稼働しなければ原発技術が枯渇するなどと称して「原発ムラ」は未だに利権構造に年間数千億円もの「電源開発費」を注ぎ込もうと原発再稼働を目論んでいるが、そんな過去の遺物のような技術に足を取られるよりも、新技術開発に政府は本腰で目を向けるべきだ。未来を見据えた技術開発にこそ国の未来を懸けるべきではないだろうか。


 


 国内景気を良くしなければ内需も喚起されない。そのためにはあらゆる基本となる人口対策、つまり少子対策に本腰を入れなければならない。特殊出生率が現在の1.37のままなら千年後には子供が一人もいなくなる、というのは数字のマジックではない。簡単な数式から弾き出される冷徹な現実だ。日本国民が減少すれば「移民」を受け入れれば良いではないか、という人たちがいるが、現在の230万人の外国人が日本に暮らしている状況で既に軋轢が各所で発生している現実に目を向けなければならない。移民先進国のフランスやドイツで何が起こっているか、国民の1割ほどの労働移民を受け入れて20年以上も経過し、まさしく異文化の衝突で社会が分断されようとしている問題を直視しなければならない。


 


 元々国家とは民族自決を原則として成立している。米国のような移民国家もあるが、元々は先住民を欧州人が虐殺して奪った国家だ。しかし、その米国ですら白人の子供の数を有色人の子供の数が上回ったという。単一民族国家に慣れている日本国民には伺い知れないが、黒人のオバマ大統領が誕生した衝撃は白人社会に深刻な影響を与えていることだろう。


 日本は日本国民による統治と国対維持を堅持しなければならない。隣国には人口大国の中国が膨張主義により次々と他民族を支配下に置こうと企んでいる。世界は互恵主義だから、日本国民が中国の土地を買えないうちは日本の国土を中国人に売ってはならない。売ってしまった土地は日本政府が取り返す術を取るべきだ。


 


 国家の問題は百年単位で考えるべきだ。先人たちは明治維新により民族国家成立と同時に「貿易立国」を国是とした。そして不平等条約の最たるもの「関税自主権」を取り戻すために血のにじむ交渉を欧米列強と重ねた。そうして得た関税自主権を安易にTPPやFTAといった目先の利害で放棄してはならない。


 完全なる関税撤廃などとは平時での話に過ぎない。戦争もだが、世界恐慌や食糧危機が襲ってきた場合にはそんな戯言は一気に吹き飛ぶだろう。米国民が飢えてでもカネさえ払えば米国は小麦を売ってくれるだろうか。真剣に考えなければならない。


 


 昨日、仙谷氏が何処かの講演で「消費増税に反対するのは全体が見えないバカ者だ」といった類の発言をしたという。ついに「消費増税」派も焦って来たようだ。国力を削いで、国民生活を奈落の底へ突き落して、財務省が喜ぶ政策に邁進するなどというのは国民の代表者たる政治家の本末転倒な考えだ。まず景気回復をして貿易立国を確かなものにして、自然増収を図るべきが政治というものだ。税が足りなければ税率を上げれば良い、と考えるのは官僚の発想だ。仙谷氏の発言は国民を見下した官僚の発想そのものだ。


 


 民主党が2009マニフェストに掲げた政策は間違っていない。「国民の生活が第一」というのはいつの時代でも国是であるべきだ。そのための少子化対策や高速道路無料化や最低年金引き上げなどを敢行すべきだ。子育てを終えた老人に高額な年金なぞ必要ない。若者にこそ手厚い施策を施すべきだ。そして老後に孤独死や餓死はない、という最低年金と社会的なセーフティ・ネットを全国で構築すべきだ。日本ほどのIT社会なら簡単に出来るはずだ。


 


 国家百年の大系を見通せる政治家がいなくなって既に久しい。いるのは官僚の手先に堕した政治家と、タレトン紛いのテレビに出ずっぱりの政治家ばかりだ。愚直な原理原則を唱える唯一の政治家・小沢氏は検察官僚や司法官僚と大手マスコミの謀略により裁判所に刑事被告人として繋がれたままだ。それを「変事」だと思わない多くの国民に驚きを禁じ得ない。この国の国民は何処まで鈍感になったのだろうか。今まさに国民の目の前で「悪事」は堂々と遂行されている。いま国民は声を上げなければ、ついには声を上げることさえ出来なくなるだろう。



このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。