この国の大手全紙が「消費税増税をこの国会で決めろ」と口を揃える異様な光景。

  この国の政府として何が喫緊の課題で、何が緊急性を要する問題なのかの序列付けすら出来ていないようだ。二年後の消費増税法案を閣議決定したとして野田首相が赤カーテンを背負って鼻の穴を膨らませて記者会見していた。豚もおだてりゃ木に登る、というが暗愚な首相が消費増税という玩具を財務官僚から与えられて、悦に入って権力を奮い「どうだ、これが政治家だ」と歌舞伎役者さながらに見栄を切っていた。


 


 バカもここに極まった。この国の首相なら国家と国民のために何を成すべきか、重要性と緊急性から優先順位をつけて手をつけるべきだ。


 そうすれば未曽有の被災地の災害復旧を急ぐべきだとなぜ分からないのだろうか。復興庁を作ったから良い、というのならまさしく官僚の下請け内閣そのものの体たらくだ。


 官僚は被災地の復興よりも自分たちの利権を最優先する。実際に被災地から出た予算要求を「査定」して減額処分として、復興庁の裁量の及ぶ予算を囲い込んでいる。官僚とはそうしたものだと理解すらしようとしないバカな政府と国会議員によって「復興庁」という復興に手を貸さない官庁を東京に作ってしまった愚かさを、大手マスコミもほとんど批判しない。この異様な風景は何だろうか。官僚たちは悲惨な災害までも自分たちの利権増殖の道具にしてしまうのだ。


 


 この国の産業構造を破壊している強烈なボディブローは「円高」と「デフレ」だ。この左右のボディブローを打ちこまれて、日本経済は基礎体力を奪われヘロヘロになっている。そうすると大手全紙は「海外へ工場を移せ」とか「世界展開すべきだ」とか能天気な見当違いの経済論評で政府・日銀という通貨当局を誤らせている。


 工場を世界展開させてこの国のモノ作りはどうなるのか。この国の青年の職場はどうなるのか。少子化対策はどうなるのか。そうした問題解決の根本的な「解」は産業界の活力を取り戻すことだということは高校生程度の社会科知識でも分かることだ。それをトンチンカンな官僚連中が自己都合に良いことばかりやって、国民の惨憺たる生活が彼らの視野から消え去っている。


 


 そうしたトドメが「消費増税議論」だ。デフレ克服が最重要課題の時期に「増税議論」をやってはならない、というのは経済学の原則だ。大学一年の経済学部の学生が学ぶ「経済原論」に載っている程度の理論に過ぎない。それすらも分からない財務官僚たちが暗愚な首相を唆して暴走させている。まさしく省益あって国益なし、を地で行く連中たちだ。


 そしてこの国の大手マスコミはジャーナリズムの体を成していない。権力者を牽制し異論を提言して言論界を活性化すべきメディアが自分たちの考えに迎合する恥知らずな経済学者の論評だけを掲載し、異論を述べる経済学者を排除するのは言論統制以外の何物でもない。本当に怖い世の中になっているのだが、テレビでは相変わらず芸人たちが内輪の楽屋話を延々と流している。


 


 大手マスコミが自由に出来るのが報道の自由ではない。国民は金太郎飴のような各紙を見比べても仕方ない。つまり国民の側の『報道の自由』はないのがこの国の現状だ。いよいよネットが存在価値を増す時期が到来していることを我々は自覚して論陣を張らなければならない。



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