『再稼働ありき』の原発政策だとしたら、この国は福一事故から何を学んだのか。

 野田政権が大飯原発再稼働に動いているとしたら、国民の安全よりも電力会社の利益を最優先する政権だということなのだろうか。


 いかに大きな地震があろうと、いかに巨大な津波があろうと原発は安全性を維持し、「想定外」として放射能漏れが起きてはならなかった。不幸にも放射能漏れ事故が起きれば半径30キロ周辺は汚染され、風向きによっては数十キロ圏内の人たちも被爆すると実証された。


 


 国家の一義的使命は国民の生命と財産の保全にある。国民の生命と財産を奪うモノから国民を守るのが国家だ。その国家が国民の生命と財産を危うくすると実証された原発の稼働に動くことがあってはならない。


 それよりも国は安全な発電装置が民間活力によってドンドン設置されて、原発の穴を埋めて取って代わるほど発電事業参入するように政策誘導するのが本筋だ。


 


 これまで国は地域独占電力会社が利益も独占するような政策に終始してきた。かつて日本が世界一の太陽光発電国家だったことがある。その後も「サンシャイン計画」により太陽光発電分野で世界のトップであり続けるはずだったが、政策の後押しはいつの間にか尻すぼみとなり、気がつけばドイツなどの後塵を拝する国になっていた。


 


 世界一の技術を保持することがいかに大切かが分からない官僚たちが電力会社の言いなりになって地域独占企業の地位の安定を図ったのだ。自由主義経済体制のこの国の基本に背く「地域独占」を一体いつまで続けるつもりだろうか。終戦直後の経済復興に資するために電気の安定供給が必須であるから、窮余の策として「掟破り」を実施したに過ぎない。


 


 競争なき業界がどうなるか知っているだろう。どんな製品を供給しようと、必ず買ってくれるとしたら品質低下も気にならなくなるだろう。大飯原発がどのようなストレステストという机上の想定問答を繰り返そうと、国民は信用しない。地域独占企業下で原発は劣化した技術のまま放置されてきた。なにしろ40年前に造られた福一原発が事故を起こしたのだ。福一原発を支えていた技術は基本的に40年前の技術に過ぎない。そうした事実を国民は知ってしまった。40年前の最新鋭新幹線0系も既に引退してしまった。最新鋭の原発であるにしても、40年間の安全保全技術の進化や様式がどのように改善されていようと、国民は信用しない。福一原発も「安全だ」と現在の山ほどある団体が折紙を付けていたのだから。


 


 原発に関して拙速は慎むべきだ。「原発ムラ」の頭を冷やすためにも、原発はすべて停止して原発のために使われていた予算を自然エネルギー開発やメタンハイドレート利用の技術開発に使うべきだ。そして、基本的に発電会社の地域独占は解体すべきだ。その体制下に原発事故が起こったことを重く受け止めなければならない。『権力は腐る。絶対権力は絶対的に腐る』という言葉を胸に刻もう。



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