消費増税を社会保障の原資にするとは本末転倒だ。

 消費税には逆進性が指摘されている。つまりどうしても収入のすべてを消費しなければならない貧乏人は所得の10%を必ず支払わなければならないが、貯蓄する余裕のある富裕層は所得の一部しか「消費税」の課税対象とはならない。


 ましてや海外旅行で海外へ行って消費するカネに関しては日本の消費税は課税されない。同じように海外留学している子弟に送金した場合も同じだ。


 そうした逆進性の高い消費税を増税して、社会保障でもとりわけ年金会計の原資に充てようとするのは消費税をより大きな比率で負担している貧乏人には入らない構造になっている。


 つまり医療保険では負担に関わりなく平等な給付が実施されているが、年金保険は負担の大きな所得層には多額な年金を支給する構造になっている。医療保険では「応能負担」の原則が適用されているが、年金保険には「負担比例支給」制度という、恰も民間年金保険と同じ制度が適用されているかのようだ。


 


 なぜそうしたことが起こっているのか。医療保険を負担している現役世代はほとんど病院の世話にならないほど健康なのにも拘らず、多額な医療保険を支払っている。不公平だと心の底で思うが、そのうち人は年取り病気がちとなって最後は医療機関のお世話になって死に至る病に冒されて死去する。だから若いうちの不満を口にしないでおこう、と自制している。


 しかし年金に関しては「世代間戦争」と大手マスコミは煽り、年金に税の投入割合を増やすために増税が必要だと報じる。だが実際は最低年金たる国民年金の支給額は改正されず、共済や厚生年金の高額支給額の維持を図ろうとしているに過ぎない。


 


 既に子育てを終えた老人世帯に高額な公的年金が必要なのだろうか。勤労者平均年収を超える年金を受け取らなければやっていけない世帯がどれほどあるというのだろうか。それよりも暮らせない年金を引き揚げる方が大切ではないだろうか。


 社会保障には富の再配分という機能がある。高所得者はそれなりに多くの税を負担するのは当たり前だ。多くの年金保険を負担するのも当たり前だ。それが嫌なら貧乏になれば良いだろう。


 高額年金支給のために年金保険会計が逼迫しているのなら、大胆に高額年金部分を圧縮して、最低年金額を引き揚げるべきだ。まずはそうした議論を行ってから、消費増税議論をすべきものだが、現在の景気動向とデフレ経済下では「増税議論」を行うこと自体が不謹慎だと思わざるを得ないし、消費増税に邁進する野田政権と民主党執行部は狂気の沙汰としか思えない。



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