「天下り」は国民への背信行為だ。

 大阪市の交通局ぐるみによる『利権構造』が造られ、そこへの天下りが恒例のように行われていたようだ。産経新聞を引用すると<<年間収入20~30億円に上る大阪市営地下鉄・バスの車内広告をめぐり、市指定の広告代理店42業者でつくる「市交通広告協同組合」が昭和29年の設立以来、広告枠の割り当て業務を事実上独占してきたことが21日、市への取材で明らかになった。組合は市交通局OBの天下り先で、橋下徹市長は「透明性確保」を指示、業務委託先を公募する方向で検討している>>と報じている。


 


 まだまだ国のみならず全国の地方自治体に天下りの温床は確実に存在している。その証拠として都道府県庁所在地の電話帳を捲ってみると良い。実態不明な各種団体が数え切れないほど存在しているだろう。


 それらはすべて「税」や負担金」により支えられている団体だと決めつけて間違いないだろう。それではなぜそうした団体に公務員OBが天下れるのか、というと「美味しい利権構造」があるからだ。


 


 「利権」とはいうまでもなく「競争」による価格決定を避けて、公務員による「裁量」によって恣意的に定められるところに発生する。それが連綿と続くことから「構造」と称している。


 そのような「利権構造」の最たるものが公共事業だろう。ただ公共事業も民間並みの激しい価格競争があれば公務員OBを受け入れるメリットが民間企業にあるとは思えない。問題は高額な発注価格「マルコウ単価」にある。


 


 大手マスコミは坪単価まで報じないが、公共事業で建てる建築物がいかにバカ高いかご存じだろうか。おおむね民間事業の2ないし3倍もの坪単価で建てられる。それは道路事業の単価でも橋梁の単価でも同じことだ。支払う官僚たちも自分のカネではないし原価意識もまるで希薄だ。出来れば高額で事業を発注して後々発注業者へ「学識経験者」として天下れれば「美味しい」と思っている。


 


 最低の費用で最大の効果、を求めるのが市場原理だ。世間は厳しい市場原理にさらされているが、官庁だけは別世界のようだ。それが運転手の平均給与700万円を超えている大阪交通局もまるでユルユルの世界だったようだ。大阪市議会にも監査委員がいて監査を実施しているはずだが、それがいかに「無能」だったかこれだけでも明らかだろう。それも昭和25年以来、連綿と代々の監査委員も無能で監査結果を審議すべき大阪市議会議員たちも「チェック機関」として機能していなかったことになる。驚くほどの高給を食んでいる議員たちの目は揃いも揃って節穴だったわけだ。


 


 有権者諸氏よ、最低限、予算書が読める議員を選ぼう。最低限、世間の常識と公務のありようを比較対照して発言できる市町村長を選ぼう。そして国会議員もパフォーマンスで「なんとなく好い人」を選ぶのではなく、予算書が読めて官僚に遠慮会釈なく発言できる人物を選ぼう。いい加減に選挙に臨んでいると、結果は必ず国民・有権者に跳ね返ってくる。実際に現在そうなって、我々は2009マニフェストを丸めてポケットに詰め込み、増税まっしぐらしか念頭にない暗愚な首相を頂いている。



このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。