この悲惨な現実とバカバカしい国会の落差に開いた口が塞がらない。
田中防衛大臣のお粗末さには驚くが、それを論って「防衛省の正式名称を言え」だとか、「海兵隊の任務は何だ」とか、クイズまがいの質問を繰り返す野党の国会議員の見識のなさにも呆れ果てる。そんなことをやっている場合ではないだろう。
なぜこの国の置かれている立場を客観的に俯瞰できる政治家がいないのだろうか。「普天間基地の固定化か」と大手マスコミが煽り野党国会議員が質問して政府を吊るし上げていたら、米国が海兵隊を岩国へ1500人ほど移駐させると提案したてきた。「最低でも県外」は米国の方から提案されてくる模様だ。
公有水面埋め立ては法律で地元自治体の承認なしには出来ないことになっている。現状ではいかに政府が「日米合意を尊重する」と力んでみても、出来ない相談だと米国は見抜いている。それなら「早くしろ、」と尻を叩いて日本政府に自分たちの約束不履行を強く印象付けてペナルティの代価を支払わせる方が得策だという戦略に出ている。米国にとって日本国内の世論よりも日本国内の米国幇間軍事評論家を焚きつけて、ここ数年間実戦に参加していない海兵隊の必要性をちんぷんかんぷんな論理で言わしめている方が米国の国益にかなう。そう思っていたが、果たしてネットで現実的な議論が澎湃として沸き上がっていることから、米国も現実的にならざるを得なくなったのだろう。
沖縄に普天間基地の海兵隊が必要だ、として辺野古沖へ移設することに拘っていた防衛オタクの政治家や評論家がいかにまやかしだったか、明らかになっただろう。
日本は独立国家だという誇りを持って、冷静な現実的議論を積み重ねることが日本の国益にかなう何よりの証しだ。