2/11産経の「主張」氏は「民主党案は非現実的だから撤回せよ」とは。

  最低年金7万円支給案は将来莫大な経費を必要とするから撤回せよと産経の「主張」氏はのたまっている。その根拠は <<すべての人に7万円以上を保障する「最低保障年金」を実現するには、政府が現在考えている5%の引き上げとは別に、最大7・1%もの消費税増税が必要となる。>>というものだ。


 


 ここにも財務官僚と厚労官僚たちの作為的な数字が踊っている。生活保護受給者のうち高齢者の割合は44.3%だ。この人たちに対する生活保護費が必要なくなる。それだけの金額を差し引きしているのか。さらに障害者に対する生活保護(34.3%)や母子家庭に対する生活保護(7.8%)の高齢者部分も必要なくなる。


 


 そうした社会のセイフティーネットのあり方全般の議論もなく、年金だけを取り出してとやかく議論するのが「社会保障と税の一体改革」なのだろうか。


 ただ、基礎年金一人月額7万円になっても、それだけで高齢者が暮らせないのは明白だ。生活保護なら様々な恩典があるが、年金受給者には厳しい社会が暮らしを揺さぶる。その最たるものは医療費だろう。生活保護者は無料だが、年金受給者はキッチリ支払わされる。


 


 民主党案のように最低年金を保障すれば納税や社会保険料を納付しない者が増えるのではないかと「主張」氏は異を唱える。しかし働かない人たちにも等しく基礎年金を支給するのは問題ではないか、という議論は分からないでもないが、生活保護受給者としてさらに大きな恩典を付与する現行のセイフティ・ネットですべての面倒をみるよりも良いだろう。


 


 高額年金受給者の高額部分が圧縮されるのは「損ではないか」という議論には乗れない。年収690万円以上の人には基礎年金部分がなくなり、高額年金が圧縮されるのが「損だ」というのなら、その議論は高額所得者の議論でしかない。国が保障する高齢者へのセイフティー・ネットとして最低月額7万円が果たして正しい金額なのか、高額年収者に対しては年金も月額30万円を超える金額を支給する、というのが妥当なのかを問題にすべきではないだろうか。


 


 国の保障する年金で豪華な暮らしを望むのがそもそもの間違いではないだろうか。若い現役世代がセッセッと働いている傍らで、高額な年金を手にして優雅に余生を過ごすのが果たして幸福な人生だろうか。最低限の文化的な暮らしを営む権利を日本国憲法は国民に等しく保障している。その最低限の暮らしとはいかなるものかを国会議員は議論すべきだろう。


 


 いやむしろ不毛な厚労官僚による誤魔化しや財務官僚によるボッタクリや公務員数の削減の意味からすべての年金制度を基礎年金一本とし、高齢者一人月額10万円程度を平等に支給してはどうだろうか。その代わり給与から天引きされる保険料も大幅に削減し、基礎年金だけでは嫌だという人は民間の保険会社と年金保険契約を結べばよいだろう。


 


 そうすればバカげた社会保険庁や共済年金に関わる職員は必要なくなる。すべて直接支給になれば金融機関の口座さえ指定すれば自動的に振り込まれるだろう。それならすべての人が負担する消費税が年金の原資として最もふさわしい税と呼べるだろう。何よりも小難しい数式や根拠のない負担割合の数字をこねくり回す必要はなくなる。もちろん年金に関わる公務員数も大幅に削減できるし、厚労官僚たちが「年金基金」の運用だと称して無駄使い出来なくなる。


 


 老後は現役時代の役職や職種などと関わりなく、平等な年金を手にして暮らす方がどんなに良いだろうか。競争社会は差別社会でもあるが、それも現役世代で終わりにして、老後は隣人の金勘定を忖度することなく、俗世間の生臭さから脱却して仙境の気分で暮らす方がどんなに楽しいだろうか。



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