「権不十年」とは細川護熙氏の用いた言葉だが。

 時の熊本県知事で絶大な人気を誇っていた細川護熙氏は「権不十年」の言葉とともに2期8年でその職を辞した。後に「日本新党」を興して国政に転じ、総理大臣にまで上り詰めたのは記憶に新しいところだ。


 


 全国には多選を重ねている首長が結構いる。しかも高齢者というのは、首長という激務に対して本当に大丈夫かと危ぶむ人さえいる。この4月に任期満了を迎えて選挙を行う山口県下松市もそうした市長を頂く市の一つだ。


 


 現職市長は既に3期目を終えようとしているが81歳と御高齢だ。長年にわたり市議会議員として活躍され、その間に議長まで勤めあげられたようだ。前回の市長選挙は無投票で、今回もどうやら無投票になりそうだという。


 


 もちろん行政手腕だけではなく、政治的にも優れた手腕を発揮され、市民から絶大な人気を博しているのだろう。しかし、それでもあえて多選に関して批判せざるを得ない。何よりも全国で最高齢という市長が4期目に挑戦するのはいかがなものかと首を傾げざるを得ない。


 


 かつて下松市は現職市長の下、嵐のように吹き荒れた平成の大合併で周辺市町が合併へ動く中、敢然と単独市制を選択した。当時、下松市は周南地区の商業の中心区たる位置にあり周南地域全体の商業的発展を独占していたことから、現職市長の下松モンロー主義は市民の支持を得てきたようだ。


 


 しかし商業施設の盛衰は単なるパイの奪い合いに過ぎない。その地域の発展に資するのは製造業を中心とする産業振興以外にないのは論を俟たないところだ。果たして下松市の産業構造はどうなのだろうか。下松市を代表する企業は日立製作所笠戸工場と東洋製缶の工場が二本柱だと資料にある。笠戸工場は新幹線の車体などを生産する工場で、東洋製缶は缶ビールの缶が主力製品だとある。


 


 それらの産業の将来はどうなるのか、それに伴って下松モンロー主義で発展している商業施設展開が今後どうなるのか、10年20年後の未来像を81歳の市長が示せるのか、市長選挙を巡って民主主義のありようと有権者のありようが問われている。



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