IMFは何の権限で日本に内政干渉するのか。

 日本国債残高が財政破綻に陥る危険があるとして、IMF(国際通貨基金)が消費税を15%にせよ、と言っているという。何の権利と権限で一国際機関が独立国家の内政に干渉するのだろうか。いわばIMFは国際基金の名を借りた米国の財布だともいわれているが、その拠出金で日本が破綻した場合に1997年の韓国のようにIMFの出動でどうにかできる規模ではない。


 


 それではなぜIMFは日本の国内政治にお節介を焼くのだろうか。それを理解するにはIMFそのものをまず理解しなければならないだろう。IMF本部は米国のワシントンDCにあり、職員数は2421人を数える国際機関だ。そこに天下るのが財務官僚たちの夢の一つでもある。そしてIMFをハンドリングしているのは拠出金の17.71%を出している米国であるのも確かなことだ。


 


 そしてIMFが日本国内政治に口を出す動機は米国の世界戦略と密接な関係があるからだ。


 ここに一つのペーパーがある。「ネバダ・レポート」というアメリカの金融専門家たちが執筆し、一部の金融関係者や大手マスコミの上層部、政府機関などに定期的に配信している経済金融レポートだ。その一節に日本が財政破綻してIMFの管理下に置かれたときの予測を米国の金融専門家が描いた部分がある。




  IMFが乗り込んでくるのは、その国が財政的に立ちゆかなくなったときである。IMFというのは、とりあえず緊急融資はする。しかし、こんな事態を招いたのは放漫経営を続けてきた自分が悪いのだから、破産国には非常に厳しい耐乏政策を要求する。たとえば消費税20%ということは、もう官房長官をはじめ政府関係者が言い始めている。


 「ネバダ・レポート」による日本の財政破綻処理は次の8項目から成る。

  ① 公務員の総数の30%カットおよび給料の30%カット。ボーナスはすべてカット。

  ② 公務員の退職金は100%すべてカット。

  ③ 年金は一律30%カット。

  ④ 国債の利払いは5~10年間停止=事実上紙くずに。

  ⑤ 消費税を15%引き上げて20%へ。

  ⑥ 課税最低限を年収100万円まで引き下げ。

  ⑦ 資産税を導入し、不動産に対しては公示価格の5%を課税。債券・社債については

    5~15%の課税。株式は取得金額の1%を課税。

  ⑧ 預金は一律、ペイオフを実施するとともに、第2段階として預金額を30~40%カットする(財産税として没収)。
 
 


 上記8項目は日本政府にとってよりも官僚たちにとって衝撃的ではないだろうか。


 


 それなら財務官僚はデフレ下の増税という悪手を打とうと、野田首相の尻を叩いて消費増税を実現して何が何でも米国のご機嫌をとり結ばなければならない、と思い込んでも仕方ないだろう。官僚たちにとって日本国民よりも米国の意向を尊重するのが身に染み着いた慣例であり、そうする方が出世する。もちろん外務官僚や防衛官僚たちが鳩山氏に面従腹背の精神で米国案に沿った普天間の移設先に辺野古沖を押し込んだ一件もそうした路線上にある。


 


 しかし「ネバダ・レポート」に描かれた8項目にわたる日本の破産処理は国民にとってそれほど悪くはない。特に①②項目は今でも実施して欲しいと願わずにはいられない。それだけで消費増税は全く必要なくなる。そして③項目に関しては年金支給額を一律30%減額ではなく、最低支給額を年額150万円への嵩上げと年間年金支給を250万円でカットを実施すれば一体改革も必要なくなるだろう。勤労世帯の負担の上に胡坐をかいて年金世帯が金満生活を送る必要はない。


 


 「ネバダ・レポート」は米国によるお節介だが、それに財務省や大手マスコミが怯えて消費税20%論をブチ上げたのなら、財政破綻も悪くないと思えてくる。官僚たちの給与30%削減はまだ軽過ぎるが、天下り利権をすべて解消させるために民間競争原価を官庁に導入すれば歳出は軽く3割は削減できるだろう。それで国債償還の財源は捻出できる。せっかく米国の金融専門家が日本政府と官僚たちに突き付けた財政破綻処理案だから大手マスコミは堂々と報じるべきではないだろうか。



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