中国の増長の責任は国際社会にある。

 第二次世界大戦の戦勝国が勝手に作った国連で、主要な安保理を構成する常任理事5ヶ国の中で唯一戦勝国でないのは中国だけだ。第一、第二次世界大戦終了時に中国共産党は国家すら形成していなかった。中国共産党が国民党を台湾へ追い払って中国を掌握したのは1948年のことだ。


 かつて国際社会は国民党の治める中国を国家として承認していた。台湾に追いやられてからも久しく台湾政府を正式な中国国家として承認していたが、やがて現実的な対応として1972年10月25日の国連総会で中国共産党の支配する中国本土を「中国」として国連に正式加盟させ、台湾の中華民国政府を除外した。


 


 軍事力により中国共産党は一軍閥から一国を代表する政府として国際社会に認められただけでなく、台湾の中華民国の国連安保理常任理事国の立場までも奪い取った。そうした便宜的な国際社会のありようが更に中国に野心を抱かせたとしても当然のことだろう。


 日本政府はODAを利用して日本のゼネコンが現地受注する「還流式」国際貢献を長年に亙ってしてきたが、中国は直截的に「対価国益」を求めてODAをアフリカや南米諸国に行っている。余りに直截的に過ぎてアフリカ諸国では中国人と現地人との間で軋轢を生じているようだが「ムダ金は決して使わない」という中国式の勘定高い外交姿勢を押し出している。


 


 中国に投資熱を煽った連中は少しは反省すべきだろう。今でも「加熱する中国」を賛美して「投資すべき」と煽る愚かな投資評論家がいるが、商法の整備はおろか法人登記法すら整備されていない「人治国家」に国際的な商慣行が通用するとでも思っているのだろうか。


 中国は貿易で稼いだ黒字相当額の「元」を増刷して国内マネーサプライを増やしてきた。そうすることで手元の外貨ドルとそれを根拠とする「元」の国内流通で加熱する経済成長を可能にしてきた。しかし、それは1980年直前の日本ですら行わなかった爆発的な金融拡大策だ。現実に中国国内の通貨量は日本円換算で250兆円に達しているという。しかしあの国は政府統計が当てにならないのは周知の事実だ。現に地方政府は赤字債を発行してはならない建前になっているが、実際は地方政府幹部の手柄にしたいため地方債発行による中央政府の感知しない資金調達で、地方の公営企業に梃入れして生産を飛躍させている。


 そうした地方債の発行残が数兆元にもなり中央政府は通貨政策がうまくハンドリングできないことから慌てているという。


 


 需要と供給がうまく同速度で拡大しているうちはそうした信認なき通貨の増大が問題として表面化しない。しかし供給が需要を上回るようになるとたちまち破綻する。実際に欧州経済がおかしくなって以来欧州への輸出が減少した影響で、中国国内で企業倒産が増大しているという。中国と同規模のGDPを有する日本の国内流通マネーが75兆円程度と比較するまでもなく、250兆から300兆円規模といわれる「元」札まみれの中国経済はすでにインフレに陥っているが、ここに来てインフレ下の景気後退という最悪の局面に入りつつある。


 


 中国が強力な海軍力を整備するのには財政的に無理がある。確かに国家予算の半分近くを軍事費に乱費できるなら可能だろうが、豊かになった中国は社会保障の整備に手を付けなければ国民の不満は吸収できなくなっている。もちろん徹底的に破壊された環境の回復にも膨大な予算が必要となる。しかも国際的に経済大国となった中国が国際的な負担を負うのは当然で「発展途上国だから」という逃げ口上は通用しないだろう。


 旧ソ連はなぜ崩壊したのか、を考察するなら、多民族国家中国がそれぞれの民族国家へ崩壊してゆくのは自然な流れだ。必ず水は低きへ流れる。たとえ強力な軍事力を国民運動の弾圧と制圧へ向けても、それは一時的な効果があるだけだ。早晩中国はソ連の二の舞になるだろう。


 


 しかし日本は自国防衛のために、当てにならない米国頼みよりも、日本国民による攻撃力を含めた国家防衛を早急に整備しなければならない。そして中国の脅威に備えると同時に、北朝鮮がいつ崩壊してもおかしくない状態に陥っている現在、日本海波高しの危機感をこそ、大手マスコミは国民に啓蒙すべきだ。



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