「沖縄振興予算」大幅増で「普天間」前進を図れ、とは何事だ。
今朝の読売新聞は「沖縄振興予算」を大幅増で普天間前進を図れ、との社説を掲げた。まるで沖縄県民はウマでニンジンを目の前に掲げれば良い、という自民党政権時代の発想そのものだ。官僚が考えたことなら官僚という種族がいかに卑しいか、を具体的に示すものに他ならない。
これまでも沖縄には特別補助金を毎年100億円10年間支出してきた。それで沖縄経済が少しでも浮揚したのだろうか。補助金は所詮補助金で官僚たちの食い物にされる運命にある。沖縄県民のための施策といいつつ、実は何をしてきたのか1000億円の使途を詳らかにするのが大手マスコミの使命ではないだろうか。
そうした本来的な「報道」は殆どやらないで、大手マスコミは2012年度の沖縄振興予算が2600億円になったと野田政権を褒め称えている。使途の自由度の高い「一括交付金」が今年の五倍の1500億円に増えたと称賛しているが、沖縄県はそれで何をしようというのだろうか。本当に沖縄を経済的に自立できるようにするならそうしたカネをばら撒くことではないだろう。
たとえば沖縄を免税特区にしたり、企業誘致特別減税地域指定にしたりと、様々な手は打てるはずだ。
沖縄基地のみならず、米軍に対する「思いやり予算」を外国並みに、例えば韓国並みの駐留軍事費用の45%程度の負担に減らし、日本の75%負担の差額30%分を「特区予算」とすれば済む話だ。
それとも沖縄振興予算を目の前にぶら下げれば沖縄県民が辺野古沖移設案を是認するとでも思っているのだろうか。
韓国並みに米軍駐留経費負担を削減するのは何も日米安保条約に抵触する行為ではない。米軍とはそうした費用負担割合に関して条約で何も取り決めていない、日本の一方的な「思いやり」なのだ。それなら減額しても日本の国家財政に鑑みれば当たり前のことだろうと米国も納得するのではないだろうか。
特別待遇していて「移転しろ」といって誰が移転するだろうか。日本の自己矛盾した各省庁の官僚たちの利権囲い込みに日本の政治家が翻弄されてはならない。大手マスコミの論調は実に卑しい発想に他ならず、読んで吐き気すら覚えるものだ。