僅かでも料金を取る限り、高速道路利権は温存される。
自民党が高速道路料金を東アジア並にしなければならないとして高速道路料金の低減を提言するようだ。高速道路を造ったからには国民が広く利用するのが望ましい。高速道路の恩恵を広く国民が受けることが望ましい。
首都圏や大阪や名古屋などの都市圏ではいざ知らず、地方都市を大量の大型トラックが市街地を昼夜の区別もなく毎日爆走している。安全と望ましい環境の確保のためにはその町を通過する車両はすべて高速道路を利用してもらいたい。交通事故もおそらく減少するだろうし、百mおきにあるような信号で停止と発進を繰り返すより、高速道路を一定速度で爆走する方が燃費も良いだろう。
従来から高速道路は無料化すべきだと「日々雑感」では主張してきた。たとえ百円でも徴収するなら高速道路利権は温存され、高速道路が国民や地方自治体に解放されることはない。米国では高速道路の出入り口は10㎞ごとにあるが、日本の狭い国土にも拘らずこの国では30㎞ごとに造られている。それが地方自治体の意向で造られるようになると、どれほど便利になるだろうか。
新しい道路を造るのを制限して、高速道路の無料化を実現すべきだ。既にこの国の必要とされる道路は建設されつくしている。足らないのは地方や遠隔地の高速道路整備だけだ。そうした高速道路なら道路整備費で造らなければ到底採算に合わないだろう。今回の大震災と津波被害を検証するまでもなく、高速道路がどれほど復興に寄与するか明らかだ。チマチマとした官僚とそのOBたちの利権のために国民の財である高速道路を私用化させてはならない。そのためにも無料化してすべての桎梏から解き放つべきだ。