中国政府に「脱北者を保護せず」と誓約書を提出するとは何事だ。
日本政府が中国政府に駐日本公館に脱北者が逃げ込んでも、これを保護しないとの誓約書を提出していたと複数の日本政府筋が明らかにした(12/9付け読売新聞朝刊一面)と報じている。何ということだろうか、日本国は国難民人権委員会に加入しているのではないか。それとも脱北者は難民に認定されない単なる違法国境侵犯者だとでもいうのだろうか。
日本外務省にはチャイナスクールといわれる中国の日本大使館勤務の外務官僚に対して、中国当局は様々な手練手管で篭絡してくるという。ある時はカネであったり、ある時は女であったり、いろんな誘惑の罠を仕掛けてきて、若手外務官僚を手なづけるといわれている。それがチャイニーズスクールだ。
そうした外務官僚の賜物なのだろう、国際難民と認定されるべき脱北者に対して日本公館は「治外法権」の国際取り決めまでも放棄したのだろうか。一体日本政府は何を考えているのだろうか。
北朝鮮の金独裁政権が永遠に続く思っているのだろうか。そして中国の共産一党支配が永遠に続くとでも思っているのだろうか。北朝鮮の体制が民主的政権に変革したときに、日本政府は胸を張って祝意を告げることができるだろうか。中国の高圧的な権威主義的共産党政権がいつの日にか必ず中国民衆によって倒され、民主的な政権へと移行すると思うが、その時に日本政府は大きな顔をして「民主的勢力」を仲間として迎え入れることができるだろうか。
その時だけ良ければ良い、というのではマトモな外交は出来ない。すべての外務官僚に「スギハラチウネ」になれとはいわないが、そうした矜持と自覚を持って日本政府と日本国民の代表として勤めなければならないだろう。唯々諾々と中国の言うがまま為すがままに従うだけなら外交とは言わない、それは隷属というものだ。
世界に冠たる平和国家は、実は飛んでもない腰抜け国家だということなのか。日本国と日本国民よ、われわれを辱めているのは何も中国政府や韓国政府ではない。矜持なき外務官僚とこの国の官僚たちだと思い至らなければならないだろう。日本の政治家は与野党もなく、そうした馬鹿馬鹿しい官僚たちの責任を、国民の名に於いて問わなければならない。