円高対策を本気でやれ。
円高対策には国内でエンを増刷してマネーサプライを増やすしかないと、何度書いたことだろうか。それを優秀なはずの通貨当局は為替介入という米国の禿鷹たちに餌を与えるばかりで効果のない「円高対策」を繰り返している。何という恣意的な無策だろうか。
円高は国内産業にボディーブローを打ち込み続けているのと同じ作用を持つ。既に体力を失った企業は倒産か生産するしかないだろう。海外へ生産拠点を移せる企業はまだましな一握りの優良企業でしかない。彼らこそ国内に存続し国内企業から部品調達して欲しいが、経営者として企業利益を無視することは出来ないだろう。
中国は日本を僅かに上回るGDPで円換算で250兆円ものマネーが国内流通しているという。それは行き過ぎだが、日本の約75兆円は余りに過少だ。少なくとも中国の半分、最低でも100兆円ほどにすれば円高は一服するはずだ。その差額25兆円は無利子国債として財務省が引き受ければ良い。そうしたことは全く異常なことではないのに、財務省は何が何でも増税をやりたいらしく、無利子国債による財源で東北復興をやりたくないようだ。
財務官僚たちの描く増税路線は20年間のデフレというフルマラソンで疲れ切った人に、更にこれから全力疾走せよと命じているのと同じだ。政治家が国民の声を聴くべきなのだが、大手マスコミが勝手に「世論調査」して「5割の国民は増税容認だ」などと広報する。何処にそれほど裕福な増税を歓迎する国民がいるというのだろうか。歳出削減努力をしない官僚たちに国民は心底怒っているのだが、大手マスコミの裕福な幹部たちには分かっていないようだ。