米国の都合と普天間移設を連動させてはならない

  米上下軍事委員会が駐沖縄米軍の一部グアム移転経費を削除したことから沖縄米軍の移転が出来なくなり、普天間基地が固定化されるのではないかとの懸念を日本の大マスコミが煽っている。


 グアム移転を打ち出したのは米軍の東アジア戦略の一環だったし、今度の移転経費削除も米国の財政事情という、米国側の一方的な都合だ。それに対して普天間基地の危険性は一貫して存在しているわけで、その危険性排除に米軍が全面的な責任を負っているのは指摘するまでもない。米国の都合によって普天間基地の存続が左右されることがあってはならないし、米国と日本政府が説得すべきは軍部の独善的な「戦略」の見直しを迫ることだ。


 


 米軍が沖縄に大挙して駐留していなければならない必然性とは何だろうか。中国が軍事行動を起こした場合に直ちに出撃する必要性から中国に圧力をかける要石の位置にある沖縄が戦略的に必要だ、というのなら米国が日本国民に説明しなければならない。


 そのためにどのような装備を備えた何人規模の軍隊の駐留がなければ中国に対してプレゼンスとならないのか、という米国の考える軍事戦略が日本国民に対して明確にされたことがない。米軍に対する駐留経費の75%にも当たる「思いやり予算」総額、年7000億円もの支出はいうまでもなく日本国民の税だ。それなら税の使い道について日本国民は開示して頂く必要があるのは当然だ。


 


 これまで沖縄の駐留米軍はどのような軍事作戦に従事してきたかも、米国政府と米軍は明らかにすべきだ。それが日本の国防と国益にどれほど役立っているのかも、日本政府は国民に説明しなければならない。たとえばイランに対する制裁に日本も同調するように米国から強く迫られ、イランで築いてきた相互信頼関係と石油利権を放棄させられ、その石油利権をそっくり中国に横取りされたが、それが日本の国防と国益にどのように資したか、じっくりと分かり易く説明した貰いたいものだ。付け加えるなら、イランの石油利権を手に入れるまで支払った巨額な費用はどうなったのかも、ただ単にドブに捨てたも等しい「捨てガネ」に終わったのかも、子細に説明してもらわなければならない。日本国民から徴収した税を日本政府と官僚たちと、それを議会で承認した国会議員たちの認識も国民に個々人の責任と立場から説明しなければならないだろう。


 


 何もかもがあやふやな藪の中に仕舞いこんで、結果として莫大な赤字が積み上がったと結果だけを示されて、国民はさらなる負担増を官僚の下請け野田政権により求められている。大マスコミも増税が必要だとキャンペーンを張るのなら、増税をしなければならなくなった経緯も併せてキャンペーンしなければフェアとはいえない。


 米軍の沖縄駐留に対して日本の国防上の必然的な要請だけを考えるなら、それほど大した軍は必要ないだろう。現在でも東シナ海を我が物顔に航行する中国海軍の艦船に対して沖縄駐留米軍は何もしていない。日本領とされる上空に飛来する露国や中国の偵察機に対してスクランブル発進しているのは日本の自衛隊機だ。そのために日本政府は一機135億円もするF35を40数機も購入しようとしている。二重三重の防衛費を支払うぐらいなら、米軍には日本から撤退してもらおうではないか。


 


 役に立たない用心棒に特別手当は必要ないし、特権的な地位を軍属にまで与えている「日米地位協定」も必要ない。米国の日本国内における横暴をすべて日本の国防と国益のため、と説明するには無理がある。日本国内の米軍基地をハンドリングできない日本国首相とは何者だろうか。米国の州の州知事にも劣る地位でしかないのだろうか。


 日本国民全体の問題として米国と米軍の独善的にして横暴な振る舞いに「費用対効果」の観点から冷静な検証をすべき時期に差し掛かっている。凋落する米国経済と相対的に力を喪いつつある軍事力に、何時まで日本は付き合うつもりだろうか。日本の国土と国民は日本国民が守る、というのがあくまでも基本でなければならない。その観点が欠落していれば、世界は日本を国家として自覚のない甘ったれだと見做し続けるだろう。


 そろそろ日本も米国の世界戦略と付き合うのを卒業しようではないか。第二次世界大戦の桎梏と残滓から解放した日本を次世代に引き渡そうではないか。



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