野田氏の「正心誠意」とは、だれに対するものなのか。

  野田政権下、朝霞公務員宿舎は建設凍結となったが、実は地方庁舎の建設は始まっているという。民主党2009マニフェストは地方分権を掲げ、国の地方出先機関は原則地方へ権限と人員を移転させることとして庁舎建て替えは廃止とされていた。それがゾンビのごとくコッソリと復活して全国8ヵ所総建設費600億円で建設されているというのだ。それを決めたのは野田財務大臣当時で、野田氏の唱える「正心誠意」とは誰に対するものなのかを問わなければならない。


 


 野田氏ほど徹底して財務大臣時代に財務省に取り込まれた政治家も珍しいだろう。いや、彼の前任者「菅財務大臣」も首相に就任するや突如として消費税10%を言い出して民主党を参議院選挙で大敗させた。現在のネジレを作った元凶は財務省だ。つまり財務省は政治が混乱して国民が困ろうが自分たちの権限が増大する政策を推進するのが「国是」だと思い込んでいるようだ。財務大臣経験者は首相として不適任だと国民は学習しなければならない。


 


 国家経営は家計と同じで「入るを図り出を制す」しか方法がないのは古今東西いずれにあっても明白だ。国民は税や負担金として十分に国家に支払っている。国民の「公的負担割合」はまだ40%程度だとして、限界とされる45%にまだ到っていないと発言する経済学者がいるが、世界比較するには土俵を同じにしなければならない。鉄道や電話などを民営化したから公的負担から外しているとしたら飛んでもないことだ。


 


 江戸時代の農民は苛烈な搾取により悲惨な暮らしを送っていたとされるが、じつは年貢は5公5民が実施され財政難にあえぐ藩が6公4民とすると百姓一揆がおこっていた。ただし、年貢以外の税は原則として徴収されず、農民は米作以外に商品作物を栽培したり民芸品を作ったりして収入を得ていた。


 町人たちは原則として無税だった。商家は「間口税」として間口に応じて税の徴収が行われ、それ以外に豪商たちは臨時的に「冥加金」として特別徴収されていた。それだけのことで庶民は重税にあえぐという状態ではなかったようだ。何よりも着目すべきは支配階級の武士たちは貧困のどん底にあり、特に地方の下級武士はほとんど農民と同じ暮らしをしていた。


 


 翻って現在の支配階級として国民に君臨している官僚たちはどうだろうか。入るを図るのは得意のようで無知な政治家を誑し込んで「増税」を叫ばせ、官僚の下請け広報機関となっている大マスコミを使って国民に刷り込みを行っている。その反面、出を制することは一切しないで使い放題に乱費して赤字国債の山を積み上げて「大変だ、大変だ」と大マスコミに広報させている。


 


 野田氏の唱える正心誠意とは誰に対する言葉なのだろうか。少なくとも国民に対するものではないようだ。官僚天国を放置したまま、国民にこれ以上の負担をこの景況下に行うことが本当に国家と国民の為なのか、野田氏に「正心誠意」の政治を行えと、勝海舟の言葉をそっくり返そうではないか。



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