まず放射性廃棄物の拡散を防がなければならない。
まず放射性廃棄物の拡散を防がなければならない、というのは除染に於いて基本的な考え方だろう。放射性廃棄物や汚染は放射能を帯びた微粒子による汚染だ。それを取り除いた『放射性廃棄物』は出所へ戻すのが基本ではないだろうか。
福一原発事故により放射能は飛散した。それなら一義的に放射能除染による廃棄物は福一原発内に戻し、そこで放射能物質の排除なり濾過をしなければならない。そのためのプラントを敷地内に造り、原発廃炉へ向けて山のように出てくる放射能に汚染された廃棄物の処理も併せて行わなければならない。
首相が福島へ出掛けて安易に県知事に甘い約束をすることは許されない。福島県にも原発建設を容認した「責任」がある。その恩恵により県も電源開発費を東電から頂戴してきたはずだ。意味のないカネは誰も使わない。当然、一旦事故あれば郷土が放射能塗れになることは予測されたはずだ。
安全だと繰り返せば繰り返すほど「安全ではない」のかもしれないと考えるのが常識的な判断だ。「僕は君を裏切らない」と安易に繰り返すプケイボーイほど平気で浮気するものだ。甘い言葉を頭から信じるのは信じた振りをしているだけでもある。それは信じているのではなく、そうであって欲しいと願う願望に過ぎない。
政府も福島県に「中間処理施設を県内に造る」と断言することだ。いつまでもぼやかして資金援助だけ話を先行させるのはフェアな交渉とはいえない。
福島県内の高濃度放射能汚染地区は除染しなければ200年も住めないの明らかになっている。すべてを除染するのは技術的困難と約800兆円とも予測される巨額な費用を伴うが、除染しなければならないのはいうまでもない。早期に除染しなければ放射能物質が拡散するだけだ。それは最も恐れなければならないことだろう。政府と福島県との真摯な話し合いを望むし、福島県は放射能汚染されている土地で生活している多くの県民のことを真剣に考えなければならない。