自由な発言とは個々人の放言を許容することではない。
閣僚が放言すれば「言葉刈り」をして辞任させ、党幹部が米国で党内論議も経ていない自衛隊の武力行使や兵器三原則廃止などに言及してもスルーしてみたり、大マスコミの記事化する基準が分からない。それなら民主党がいっそのこと個人的な発言をすべて規制しようとしてもおかしいことではない。
それが「報道の自由」に反するとか、「表現の自由」に抵触するとか、すったもんだと大マスコミがいうべきことでもないだろう。彼らは記者会見で散々記者クラブに所属していない報道機関やフリージャーナリストを排除してきたではないか。そうした一方で「報道の自由」を錦の御旗に掲げるとは自分勝手もここに極まったといわざるを得ない。見事だ、と拍手したくなるほどの完璧なダブルスタンダードだ。
公党であれば、しかも政権与党であれば、党幹部の発言はオフレコを除いて、公式なものでなければならないのはいうまでもない。党内議論を尽くし一定の結論を得たものを発言するのが正しい姿勢であって、口先番長的に言いっ放しで責任を取らない発言などあってはならない。そしてマスコミも正式記者会見でないオフレコ発言をテレビなどのメディアに乗せて報じる闇討的な行為は厳に慎まなければならないのは言うまでもない。
信頼関係を破ったのはどちらか、記者たちは胸に手を当てて内省することだ。